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「PM,PS,IMモジュールの説明書 No.1」

■はじめに

SAP Freelance Jobs運営事務局です。
突然ですが、2022年より新連載シリーズとして、「PM,PS,IMモジュールの説明書」を始めます。この3モジュール(特にPMモジュール)はSAPの中で、最もニッチなモジュールであり、インターネットでプロジェクト業務に必要な情報がほとんど出回っていないため、本テーマで情報発信することを決意しました。本コラムでは3モジュールの情報を得るためのきっかけとなるような、基本的な内容(概要)から各機能(各トランザクションコード)のインフラ業界での使用用途やイメージをお伝えしていきたいと思っています。
本コラムを読んでいただきたい方は、”SAPをあまり触ったことがない”や”初めてSAPプロジェクトにアサインされたがモジュールごとの機能についてよく分からない”といったSAP初心者の方を想定しております。また、SAP(他モジュール)に精通しているフリーランスの方も上述3モジュールを学ぶきっかけとなればと思っております。

■モジュール紹介

【全体像】

SAPのモジュールとは、特定の業務に関連する複数機能をひとまとめにしたプログラムの集まりです。分類は大きく分けてロジスティクス系、会計系、人事系、分析系があります。代表的な各モジュールは以下の通りです。(人事系、分析系は本コラムで取り扱わないため、紹介を割愛させていただきます。)

ロジスティクス系

調達・在庫管理関係、生産関係、販売関係の機能をまとめた集まりです。
代表的なモジュールは、MM(在庫/購買管理)、PP(生産管理)、PS(プロジェクト管理)、QM(品質管理)、PM(プラント保全)、SD(販売管理)、CS(得意先サービス)、LE(物流管理)、WM(倉庫管理)などがあります。
ロジスティクス系のモジュールからは、PS(プロジェクト管理)とPM(プラント保全)について本コラムで取り上げます(下図の赤枠モジュール)。

会計系

財務会計、管理会計の機能をまとめた集まりです。
代表的なモジュールは、GL(総勘定元帳)、AP(債務管理)、AR(債権管理)、AA(固定資産管理)、SL(特別目的元帳)、TR(財務/資金管理)、CO(管理会計)、IM(設備予算管理)、EC(経営管理)などがあります。
会計系のモジュールからは、IM(設備予算管理)について本コラムで取り上げます(下図の赤枠モジュール)。

【IMモジュール】

IM(Investment Management)モジュールは、設備投資・研究開発等を実施する場合や会社や組織(各拠点)の使用用途に合わせた予算管理に使用するモジュールです。
基本的には、階層構造で予算を配賦して使用します。ここで配賦した予算と後述するPMモジュールとPSモジュールの一部用途で発生する実績(費用)はIMモジュールで配賦した予算と比較することで予実管理を行うことが可能です。
また、FI-AAモジュールと同時に使用することで固定資産を取得するまでの一連のプロセスを統合できます。そのためには、建設にかかる費用をPSモジュールのWBS要素やPMモジュールの指図に建設仮勘定として管理しておいて設備完成後に固定資産へ振り替える必要があります。

【PSモジュール】

PS(Project System)モジュールは、プロジェクトの構造化から計画、実行、プロジェクト完了までのプロジェクトライフサイクルの管理を行うモジュールであるため、インフラ業界以外では主に土木業、建設業、製造業使用されています。
インフラ業界での使用イメージは、新規の設備建設(工事履歴のない工事)を実施する場合とPMモジュールと組み合わせて年間の補修計画の管理に使用します。
また、PSモジュールを使用することによって、工事期間やIMモジュールで配賦した予算とPMモジュールで積まれた実績(費用)を一元管理してプロジェクトの進捗とコストを把握することが可能です。

【PMモジュール】

PM(Plant Maintenance)モジュールは、言葉の通りプラント(設備)の保守運用を実施するモジュールで主にインフラ業界で使用されています。
プラントの保守運用では主に保全作業の特定からプランニング、スケジューリング、保全作業実施、保全作業完了、保全実績管理のサイクルでPDCAを回していきます(下図参照)。

■おわりに

今回は、SAP全モジュールにおける、本コラムで執筆する3モジュール(PMモジュール、PSモジュール、IMモジュール)の立ち位置とそれぞれの概略をご紹介いたしました。インフラ業界における3モジュールの使い方をまとめると以下の通りです。
IMモジュールで年間予算を立て、PSモジュールで予実を(新設工事と補修工事の両方)管理し、PMモジュールで日常的な保守運用管理を行うといった形で3モジュールを組み合わせて使用します。
次回以降は、各モジュールのより詳細な説明をしていければと思います。

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