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炎上プロジェクトに参画するメリットはある?

はじめに

SAP ERPのプロジェクトは、いわゆる「炎上」に近い状態になることがあります。

特に移行フェーズなどは不具合が噴出し、独特の雰囲気になることも珍しくありません。

 

さて、この炎上プロジェクトですが、正直なところを言えば、あまり近づきたくないという方が多いのではないでしょうか。

しかし、一部の人は「炎上プロジェクトも成長の糧」と前向きに考えているようです。

そこで炎上プロジェクトに参画するメリットはあるのかという点を考えてみたいと思います。

 

 

 

1.SAP ERP案件は炎上しがちである…なぜか?

誤解を恐れずに言えば、SAP ERPのプロジェクトは規模が大きくなるにしたがって、炎上しやすくなると感じています。

規模が大きくなると、最上流の部分をコンサルティングファームが担い、設計・開発・テストフェーズはSIerが担うという役割分担が発生しますよね。

この役割分担がうまくいけば良いのですが、やはりそこは営利企業、それぞれの持ち分が完了すればあとはお任せ…という風潮が残っており、どうしてもフェーズが進むごとに「考慮漏れ」や「矛盾」が発生するのです。

これが積み重なり、さらにはレガシーシステムに思わぬ影響があることが判明するなど、炎上の種が増えていきます。

 

そして、溜まりに溜まった炎上の種は、主に移行フェーズでついに燃え上がります。

移行フェーズはプロジェクトの山場であり、それまで誤魔化してきたグレーな部分が全て露になるフェーズでもあります。

移行フェーズで噴出した不具合や考慮漏れは、いくつかの炎上案件に分岐し、鎮火には長い時間を要する……というのが定番の流れではないでしょうか。

 

 

 

2.炎上プロジェクトに参画するメリット

炎上プロジェクトは、いわゆる「火消し」と呼ばれる部隊が作られますよね。

不具合を片っ端からつぶしたり、要件定義レベルまで遡って設計をやり直したりと、ウォーターフォール型のプロジェクトにも関わらず、半ばアジャイルのような動きが求められます。

この火消しの部隊を経験すると、スキルや経験が飛躍的に伸びるのです。

ということで、短期間で一気に実務経験を積みたいのであれば、炎上プロジェクトの火消し部隊はおすすめかもしれません。

 

その他にも、次のようなメリットがあります。

 

 

2-1.参画のハードルが低い

一般的に、質が良く予算が潤沢なプロジェクトほど、メンバーに求める能力も高いものです。

つまり、経験やスキルが今一歩の状態では参画しにくいのです。

 

一方、炎上プロジェクトは、時と場合によりけりですが「誰でもウェルカム」な状態が多く、多少スキルや経験が基準に達していなくてもアサインされることが多いです。

メンバーの入れ替わるタイミングと炎上が重なると、簡単な面談だけですぐにアサインされることもあります。

もちろん、アサインされたあとは急ピッチでキャッチアップしていかなくてはなりませんが、本人のやる気と体力さえあれば、非常に密度の濃い時間を過ごせるでしょう。

炎上しているとはいえ、途中からアサインされたメンバーに責任はありませんから、意外と気楽に過ごせる可能性もあるわけです。

 

 

2-2.スキルの幅を広げやすい

炎上プロジェクトに参画すると、参画前に知らされていた担当業務以外のこともこなさなければなりません。

厳密にいえば契約外なのでしょうが、鎮火のためには明確な役割分担を守っている余裕などなく、誰もが少しずつ隣接する業務をこなすようになります。

 

また、ある程度自分の担当領域をこなせている人材は、他のメンバーのヘルプや鎮火しそうにない他の部隊へ派遣されたりします。

これを繰り返すうちに徐々にスキルセットが増えていき、炎上が完全に沈下するころには、専門領域が増えている可能性すらあるのです。

実際に、炎上プロジェクトを何件か立て続けにこなし、短期間で急成長した同僚を何人か見たことがあります。

 

彼ら曰く「炎上プロジェクトでは、自分の作業の他にも、他者に説明したり情報共有したりする機会が非常に多い。

そのたびに説明用の資料をまとめていると、自分の知識も整理されていく」とのこと。

 

 

2-3.人脈が広がる

通常のプロジェクトをこなしていても人脈は広がりますが、炎上プロジェクトを共に乗り越えたメンバーは、やはり結束が固いです。

もちろん、SAP ERP業界特有の頻繁なアサイン・リリースのサイクルがありますから、一緒に過ごす時間はほんの2~3か月がいいところです。

それでも共に知恵を出し合い、標準機能やBAPIの仕様を片っ端から調査し、アドオンの設計書と突き合わせて原因を特定する……という作業を深夜まで頑張ったメンバー同士は、お互いの実力を認め合う仲になります。

 

SAP ERPプロジェクトは大小さまざまな企業から人材が派遣されてきているものの、界隈じたいはクローズドな世界です。

したがって、人脈がつながりやすく、思わぬところで仕事の依頼が来ることも珍しくありません。

たった数か月のプロジェクトで一気に人脈が広がるというのは、炎上プロジェクトならではないかなと感じます。

 

 

 

3.フリーランスでもスキルと人脈は強化できる

ここまでの内容から「炎上プロジェクトに参加しないとスキルも人脈も広がらないのか」と勘違いする方がいるかもしれません。

もちろんそんなことはなく、普通にプロジェクトで自分の役割を全うしているだけでもスキルや人脈は備わっていきます。

しかし、短期間で自分を鍛えるという意味では、炎上プロジェクトに勝るものはないかもしれません。

 

フリーランスを「スキルの墓場」とみなす方もいるようですが、フリーランスになって成長が止まるかどうかは本人次第です。

会社員では不可能な見識の広げ方をできるのがフリーランスの醍醐味であり、あえて炎上プロジェクトを狙うという行為もそのひとつ。

 

ただし、炎上プロジェクトは心身の健康を害するリスクもあるため、慎重に選ぶべきです。

炎上とまではいかなくとも「短期間でスキルを伸ばせる厳しい環境に行きたい」というのであれば、案件を紹介するプロの力を借りるのも手です。

炎上気味のプロジェクトは、個人の力では見つけにくいものですから。

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