トップ > 技術コラムNews > SAP技術情報 > SAPフリーランスの「現実的な」年齢制限とは?

更新日 

SAPフリーランスの「現実的な」年齢制限とは?

はじめに

15年ほど前にIT業界では「プログラマー35歳定年説」が話題になりました。

エンジニアは35歳で旬な時期を終え、人材的な価値が下落し始めるという内容です。

具体的には「体力」「技術や知識のキャッチアップ力」が落ちるといった内容なのですが、実際には35歳からが本番と言えるほど引く手あまたのエンジニアばかりです。

 

では、SAP業界はどうでしょうか。

高度なスキルと知見が要求されるSAP業界では、35歳はまさに「旬」な時期であり、とても定年とは言えません。

しかし、現実にはフリーランスとして活躍できる「限界」というべき年齢があるように思います。

 

今回は、SAPフリーランスの現実的な年齢制限について考えてみました。

 

 

 

1.SAPフリーランス人材のボリュームゾーン

今回紹介するお話に出てくる数値は、すべて筆者の周囲および主観によるものであるため、統計的なデータとは切り離して読んでいただけると幸いです。

 

まず筆者の元同僚や同じプロジェクトで働いたことがある知人など約15人の中で、現在でもSAP業界で活躍しているのは10名ほど。

あとの5名は退職してIT業界自体を離れたか、もしくは事業会社のIT部門に転職してSAPから離れたかの2択でした。

 

残った10名の平均年齢は40代中盤。

長い方はSAP歴20年以上で、短い方でも10年を超えています。

なので、全員が中堅からベテランの域に達しているというイメージです。

 

彼ら10名に対して、「周囲のフリーランスは何歳くらいが多いか」「現在稼働中のプロジェクトにおけるフリーランスの最高年齢」の2つを質問したところ、以下のよう回答がありました。

 

・周囲のフリーランスは何歳くらいが多いか

30代前半…3人

30代後半…2人

40代前半…5人

 

・現在稼働中のプロジェクトにおけるフリーランスの最高年齢

40代前半…2人

40代中盤…4人

50代以降(詳細不明)…4人

 

ちょっと驚いたのですが、20代が全く出てきません。

これはフリーランスという働き方ゆえの特性なのかもしれないですね。

 

また、割合から見ると、SAPフリーランス人材のボリュームゾーンは30代中盤~40代前半と言えるかもしれません。(あくまでも私の調査が及ぶ範囲ですが)

 

求人を見てもSAP界隈には年齢制限の記載がほとんどありません。

これは、SAP ERPプロジェクトで活躍するための知見やスキルを獲得するまでに、長い時間を要することが皆わかっているからでしょう。

 

22~24歳で就職し、最初の企業で3~5年務め、1回転職して3年ほど働き、フリーランスになるころには30代前半。

そこから経験を積んでさまざまなプロジェクトから呼ばれるようになるまで3年程度と考えれば、30代中盤からがボリュームゾーンというのも頷けます。

 

 

 

2.SAPフリーランスの「現実的な」年齢制限は?

さて、以上の内容を踏まえつつSAPフリーランスの現実的な年齢制限を考えてみます。

Google検索でSAP人材の「中途入社」について簡単に検索してみると、正社員採用の限界年齢は39歳から50歳程度です。

 

しかし現実的に採用される可能性が高いのはおそらく40代中盤まで、というイメージを持っています。

これは組織人である以上、仕方のないことでしょう。

純粋にスキル面だけをチェックされるわけではなく、「社風に合うバックグラウンドを持っているか」「経験してきた業界の知識が、自社の顧客とマッチするか」なども考慮されるからです。

 

特にキャリアが積みあがってくると、どの人材も「得意とする領域」と「そうではない領域」の差がはっきりしてきます。

スキルや経験の量以外の、マッチングの部分で評価されるのは致し方なのです。

 

では、フリーランスではどうでしょうか。

フリーランスの場合、筆者の知る限りは「年齢を理由にした制限」はあまり聞いたことがありません。

 

特にSAP業界の場合、業界知識+ITの知識・スキルという2段構えの能力を要求されるため、プロジェクトから要求される能力を獲得するまでにある程度の時間を要します。

 

このことからフリーランスとして実力をつける+キャリアを積んでいる時点である程度の年齢に達しており、「スキル見合い」で人材を集めるとどうしても年齢層が高くなりがちです。

 

開発メンバーのみの場合は比較的若い人材が多いのですが、コンサルタントクラスになるとベテランは40代以降しか集まらないというケースもあります。

 

こうした事情はプロジェクトオーナー側も承知していて、フリーランスに関しては特に年齢制限を設けていないことが大半です。

 

しかし、体力面や新しい知識のキャッチアップという意味で考えると、柔軟性を保ちやすい若い人材が有利になることも事実。

 

これら総合的な事情を考慮し、「40代半ばまで」や「50歳未満」といった年齢制限を「内部の基準として」設けていることがあるようです。

明確に採用基準として公開しているわけではないので、50歳以上だからと言って直ちに不採用になるわけではありません。

ただし、「ほとんど同じスキルと経験を持つ39歳と51歳」が当落線上にいるときは、39歳のほうが有利になる可能性が高いです。

 

少し話がそれましたが、

 

・SAPフリーランス人材の年齢制限は「事実上ない」

・プロジェクトによっては「スキル見合い」とした上で50歳前後の場合もあり

・ただしスキルや経験がニーズとマッチしていれば、年齢はあまり気にする必要がない

 

というのが答えになりそうです。

 

 

まとめ

今回は、SAP人材の現実的な年齢制限についてまとめてみました。

年齢に関する話題はセンシティブで明確にしたがらないプロジェクトも多いようです。

「雇用」ではないだけに、スキルと経験でニーズが決まり、SAP業界はその年齢が他の分野よりも高めである、ということは確かだと思います。

 

SAP業界であれば「35歳」は決して定年ではなく、「45歳」もまだまだ活躍可能なボリュームゾーンです。

年齢を過度に気にするよりも、経験とスキル、知識を積み上げることに注力したほうが働きやすいかもしれん。

 

もし経験量に不安がある方は、SAPフリーランス案件を専門に扱う事業者からのサポートも検討してみてください。

LINEで送る
Pocket

SAP案件紹介や独立前相談

ほとんどのSAPコンサルタントの方は、独立すると、まずは当社へご登録いただいております。

60秒で無料登録

案件情報やSAP技術情報を
気軽に受け取る

メルマガ登録

つの情報を送るだけで案件紹介へ

    御氏名
    メールアドレス
    電話番号
    生年月日

    つの情報を送るだけで案件紹介へ

      御氏名
      メールアドレス
      電話番号
      生年月日