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    鍋野敬一郎のSAPソリューション最新動向#23

    こんにちは!SAP Freelance Jobs運営事務局です。

    弊社では、SAPジャパン株式会社出身で、ERP研究推進フォーラム講師でもある株式会社フロンティアワン 代表取締役 鍋野敬一郎氏をコラムニストとして迎え、「鍋野敬一郎のSAPソリューション最新動向」と題し、SAPのERP製品情報や最新技術情報をお届けしています。

    第23回目である今回は、「サプライチェーン強靭化に効くSAPソリューションSAP EWM~SAP EWM拡張倉庫管理ソリューションによるサプライチェーン強靭化~」について取り上げます!

    これからSAPに携わるお仕事をしたい方も、最前線で戦うフリーランスSAPコンサルタントの方も、ぜひ一度読み進めてみてください!

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    鍋野 敬一郎 プロフィール
    株式会社フロンティアワン 代表取締役
    ERP研究推進フォーラム講師
    1989年 同志社大学工学部化学工学科(生化学研究室)卒業
    1989年 米国大手総合化学会社デュポン社の日本法人へ入社。農業用製品事業部に所属し事業部のマーケティング・広報を担当。
    1998年 ERPベンダー最大手SAP社の日本法人SAPジャパンに転職し、マーケティング担当、広報担当、プリセールスコンサルタントを経験。アライアンス本部にて戦略担当マネージャーとしてSAP Business All-in-One(ERP導入テンプレート)立ち上げを行った。
    2003年 SAPジャパンを退社し、コンサルタントとしてERPの導入支援・提案活動に従事。
    2005年 独立し株式会社フロンティアワン設立。現在はERP研究推進フォーラムでERP提案の研修講師、ITベンダーのERP/SOA/SaaS事業企画や提案活動の支援、ユーザー企業のシステム導入支援など、おもに業務アプリケーションに関わるビジネスを行っている。
    2015年よりインダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ(IVI):サポート会員(総合企画委員会委員、IVI公式エバンジェリスト)

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    ■はじめに
     日本国内における新型コロナウイルスのワクチン累計接種回数は、2021年10月7日時点で1億7212万回だそうです。これは、総人口の63.1%、7995万人が2回のワクチン接種を完了しています。この数値は、米国のワクチン接種率を既に上回っています。国内経済は厳しい状況が続いていますが、こうした状況を踏まえて全産業で経済再生へ向けた動きが加速していくと予想されます。そのなかでも、製造業や流通業における最優先課題の1つがサプライチェーン見直しとサプライチェーンの強靭化です。今回は、SAPのサプライチェーン強靭化ソリューション「SAP EWM:拡張倉庫管理」についてご紹介します。

     
    ■SAP EWM拡張倉庫管理システムとは?
     SAPのERPには、MM:在庫購買管理モジュールがありこの機能は多くの企業が導入しています。しかし、サプライチェーン管理を行うシステムは在庫管理システム(倉庫管理システム)、購買管理システム、配送管理システム、そしてモノの見える化システム(サプライチェーン情報管理、SAP Analytics Cloud)などデータを連携する必要があります。旧製品のSAP ERPでは、MM:在庫購買管理モジュールはERPの中にありましたが、SAP TM:配送管理システムは別システムで旧製品のSAP ERPと連携する必要がありました。SAP S/4HANAではこのSAP TM機能が統合されてさらに入庫プロセスや出庫プロセスを強化・網羅したSAP EWM:拡張倉庫管理が実装されています。例えば、入庫プロセスの機能は、原材料や商品の入庫処理についても数量や金額、品質、ロット・シリアル番号管理から入庫受入する棚番管理のマッピング、QRコード/バーコード管理など他システムとの幅広い連携が出来ます。このSAP EWMは、SAP SCMの機能の一部で7.0以降のバージョンで実装されたソリューションです。SAP ERPの倉庫管理機能では使用できなかった、SAP EWMの活動エリア、リソース、労務管理、作業区などの新しい要素を作成することができます。
     ※SAP EWMのSAP文書は以下のURLにあります。
    https://help.sap.com/saphelp_scm70/helpdata/ja/5f/c69040bca2ef4ae10000000a1550b0/frameset.htm 



     
    ■SAP EWMでS/4HANAに統合された倉庫管理システムと配送管理システムの強み
     旧製品SAP ERPでは、別システムとして提供されていた倉庫管理システム(SAP EWM)と配送管理システム(SAP TM)ですが、現在はSAP S/4HANAに統合されています。
    1つのシステムに統合されたことで、複数の倉庫や物流センター(DC)、物流拠点(TC:クロスドッキング)などの情報をリアルタイムに把握することが出来ます。また、新型コロナウイルスや災害などによるサプライチェーン分断が生じた際にも、状況判断で最適な配送手配の見直しや代替輸送などが可能となります。こうした取り組みは、流通DXのデジタルサプライチェーンの実現を意味しています。さらに、SAP HANAの高速データ処理によって、1日に何度でも計画を作成することも可能となり物流実行管理の精度を高めることになります。
    またSAP EWMは、複数の倉庫や物流拠点を網羅したロジスティクス情報の統合管理が可能です。これまでは、配送手段によって陸運(トラック、鉄道など)、空輸、海運などによって導入されるロジスティクス実行システム(LES)がバラバラなのが一般的でしたが、これでは複数の手段(海上輸送と陸上輸送など)を組み合わせてサプライチェーンを管理するには、データを都度読み替える必要がありました。これにより、リアルタイムかつ柔軟なサプライチェーン管理が難しい状況となっていました。SAP EWMは全ての輸送手段に対応しているため、物流拠点システムをSAP EWMに置き換えることで、水平統合性を高めることが出来ます。これによって、サプライチェーン強靭化が可能となるのです。
     
     前述の通りSAP EWMはSAP SCMの一部機能ですが、その配送機能はトラックや鉄道などの陸上輸送のみならず、空輸、海上輸送などこれらを複合した様々な輸送モードに対応することが可能です。つまり、国内の物流と海外の国際物流を一気通貫でエンド・トゥ・エンドのサプライチェーン管理が可能となります。これはクラウド上にサプライチェーンの全ての情報を置くことで、輸送手段や輸送業者によって分断されていたシステムとシステムを横断するサプライチェーン統合データ基盤を構築します。


     
    ■今回のまとめ
     今回は、新型コロナウイルスからの経済再生に欠かせないサプライチェーン見直し、サプライチェーン強靭化に対応するSAP EWM:SAP拡張倉庫管理システムについてご紹介しました。旧製品のSAP ERPでは、別システムとして連携するシステムでしたがSAP S/4HANAに統合されたことで、より高度で幅広い機能を備えたこととSAP HANAの高速処理の強みを生かしたリアルタイムサプライチェーンを実現します。製造業においては、新型コロナウイルスや災害によるサプライチェーン分断に即時対応や、流通業においてはユーザー企業のニーズや要望に応じて直送やジャスト・イン・タイム対応などデジタルサプライチェーンを担う中核となるソリューションです。