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SAP技術情報コラム・News一覧

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    「SAP ERPエンジニアが初めてSAPを学んだら」No.1 S/4HANA の概要

    1.はじめに

     

    SAP Freelance Jobs運営事務局です。この度、ERPエンジニアがSAPを初めて学び、資格取得するまでの学び・実施内容を連載することとしました。
    国内にSAPエンジニアが多くいるとはいえ、どのように学び成長出来たかの記事はあまり存在しません。SAPエンジニアになる為の選択肢はOJT・e-Leaning等様々あるかと思いますが、今回ご紹介する記事も一つの選択肢になるかと思います。
    これからご自身がSAPエンジニアを目指す方、また自社内にSAPエンジニアを育成したい方には有益な記事になっておりますので、是非最後までご一読頂けますと幸いです。

     

     

     

    2.受講経緯

     

    当ERPエンジニアの最終ゴールですが、自社にSAP S/4HANAの販売管理(SD)、購買在庫管理(MM)、財務管理(FI)、管理会計(CO) の導入を実施することがゴールとなります。最終的にはSAPコンサルタントと一緒に導入を目指すことになりますが、自社内で見識・知見を保持した人材が必要とのことで、まずは資格取得を目指すこととなりました。それに向けた最初のきっかけとして何をすべきかSAP営業担当と相談し、S/4HANA の概要(S4H00)を受講することとなりました。
    尚、最短スケジュールで実施する為、受講形式は定期開催のClassroom Trainingトレーニングセンターでインストラクターと対面型でSAPソリューションの学習をする)やSAP Live Class(オンライン環境でSAP専門インストラクターによるトレーニング)では無く、1社向けの研修Customer Specific Trainingにて受講しました。

     

     

     

    3.S/4HANA の概要(S4H00)コース概要

     

    コースの名前の通り、SAPのS/4HANAについて概要を学ぶコースとなります。
    SAP S/4HANAとはそもそも何か、各UI毎の基本的な操作方法・主要な業務領域のマスタや入力を学ぶコースです。このコースを受講することで、SAP S/4HANAを操作可能になるとされています。
    期間は3日間となります。

     

     

     

    4.S/4HANA の概要(S4H00)コースで教わることが出来る範囲

     

    当コースで教わることが出来る具体的な内容は、以下の通りです。

     

    ・ SAP S/4HANAソリューション概要
    ・ SAPの歴史(R/2からS/4 HANAまでの歴史)
    ・ SAP S/4 HANAデプロイメントオプション(インフラ構成)
    ・ SAP S/4 HANAリリース方針
    ・ SAP S/4 HANAの各接続方法のコンセプト・画面構造説明(SAP Fiori、SAP Business Client、SAP Logon(GUI))
    ・ 中心となるマスタの考え方(組織・ビジネスパートナー・製品/品目)
    ・ ロジスティクス(購買から支払のプロセス、計画から生産までのプロセス、受注から入金のプロセス)
    ・ 会計(財務会計・管理会計)
    ・ SAP ERP HCM
    ・ SAP SuccessFactors
    ・ SAP S/4 HANAに組み込まれている分析機能
    ・ SAPのActivate(SAP導入支援フレームワーク)説明
    ・ SAPサービス(HelpPortal、Training and Adoption、SupportPortal、Community) 説明

     

     

     

    5.S/4HANA の概要(S4H00)コースの進め方

     

    コースの進め方として、事前に配布された400ページ弱のテキストを元に講師が各章毎に説明をします。また、テキストだけでなく、時には講師が自身で用意したオリジナルのパワーポイント資料を用いながら補足をします。そしてテキストの各章最後に演習があり、講師が操作画面を共有しながら各受講者が一緒に実機を操作する という流れで進みました。

     

     

     

    6.S/4HANA の概要(S4H00)コース受講により得たことと期待への対応

     

    当コースを受講し、ERPエンジニアは当初の目的通り、2点を得ました。

     

    ・ SAPを起動し、簡単な操作は可能となったこと
    ・ SAP S/4 HANA にてどのソリューション領域で何を実施しているか把握が出来たこと

     

     

     

    7.S/4HANA の概要(S4H00)コース受講により得られなかったこと

     

    S4H00はあくまで最初の取り掛かりに適したコースであり、以下は別のトレーニングコース受講が必要となり、当コースでは学習できない範囲となります。

     

    ・ 各ソリューション領域のマスタやパラメータの詳細
    ・ 各ソリューション領域の業務プロセス詳細(S4H00では代表的なプロセスのみ)

     

     

     

    8. SAPへの印象

     

    当エンジニアは日本で開発されたERPパッケージの経験を保有していますが、SAPは未経験で初めて操作をしました。その際の所感は以下の通りでした。日本で開発されたERPとは大きく差を感じています。

     

    ■ システム

     

    ・ GUIが独特である。「実行」に相当するボタンが画面のどの場所に配置されているか統一されていない
    ・ 1社向けの研修だった為か、動作が遅い
    ・ 英語が当然のように用いられる文化である。海外進出している企業には適した印象
    ・ 消費税は対応しているように見える
    ・ 日本の商習慣からは違和感がある(仕訳の貸借をマイナス表記すること、販売管理のプロセスで売上処理が請求処理となっていること 等)
    ・ ソリューション領域が広範であり、相関を把握するだけでもかなり大変

     

    ■ サービス

     

    ・ 必要な情報はWebサイトに記載されており、困ったら探してくださいとユーザー側で調べるよう促す会社の方針
    ・ Webサイトの情報は多い。国産ERPパッケージがあまり情報開示しない中、SAPはかなりオープンに開示している
    ・ SAP社は表現が洗練されている(ベストプラクティス・近代的なERPシステム 等)
    ・ 英語の情報が多い。日本語では不十分なことが多い

     

     

    ■ その他

     

    ・ SAP S/4 HANAは学習コストが非常に高く、SAPコンサルタントの価値は高い。

     

     

     

    9.S/4HANA の概要(S4H00)コースを受講し、SAP社に改善してほしいこと

     

    受講にあたり、以下は学習の妨げになっておりました。
    この辺りは他も同様とは限りませんが、一例として記載します。

     

    ・ 研修環境が遅い
    ・ 実機による実習のフォローが少ない
    ・ 実機操作の環境がCitrix経由での接続となり、DPIが荒くUIが古く感じる

     

    結果、最新のUIを体験できない。

     

     

     

    10.S/4HANA の概要(S4H00)コース受講までの手続きのやり取り

     

    受講時、SAP社の営業担当とやり取りをしていたが、進め方も他日本企業と異なる部分がありました。
    営業担当に依存する可能性は充分ありますが、こちらも一例として記載します。

     

    ・ SAP社よりトレーニングコースの概要説明
    ・ 見積・契約書のやり取り
    ・ 営業担当より受講者の経験や受講目的のヒアリングシートを受領
    ・ 契約と並行し、トレーニング環境に接続可能か事前検証
    ・ S/4HANA の概要(S4H00)コース受講
    ・ コース受講中に請求書を受領

     

    このような流れで進んでおりました。
    尚、説明を受けてから契約までは3週間程で完了し、その10日後に研修受講開始となりました。比較的スムーズに進めることが出来ました。
    期間だけ見ると短期間で完了していますが、ヒアリングシートが事前説明なく非常に分かりづらい、やり取りの資料で一部の資料が英語になっている 等、他日本企業で見られないやり取りもありました。
    今後同じように受講を希望される際には、時間に余裕をもって進めた方がいいかと思います。

     

     

     

    11.おわりに

     

    今回はERPエンジニアがSAP S/4 HANAを学ぶ為の取り掛かりとして受講したS/4HANA の概要(S4H00)の説明と、コースを受講した際の所感・SAP社とのやり取りを記載しました。
    SAP はソリューション領域やサービスが非常に広範であり、学習コストが非常に大きくなります。
    次回以降も、資格取得に向けての研修受講状況や学習方法を紹介していきます。