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「S4 HANAでクラウド化」No1.SAPのインフラはオンプレミスかクラウドか

■はじめに

 

SAP Freelance Jobs運営事務局です。

この連載では、「S4 HANAでのクラウド化」について解説していきます。

これまでのERPはオンプレミスでの構築が当たり前でしたが、近年はシステムのクラウド化が当たり前となり、SAPでもクラウドで構築できる時代となっています。

もちろん、S/4 HANAもクラウドで構築可能なのですが、そもそもクラウド環境がどのようなものか理解されていない人は多いでしょう。

今回はS/4 HANAはどのような環境に構築でき、それぞれの環境にはどのようなメリットとデメリットがあるのかご説明します。

 

 

 

■S/4HANAのインフラ選択肢

 

S/4 HANAのインフラには大きく分けて3つの選択肢があります。

 

・オンプレミス

・パブリッククラウド

・SAPS/4HANACloud

 

それぞれの選択肢について詳しくご説明します。

 

・オンプレミス

 

オンプレミスはシステム運用に必要なソフトウェアやハードウェアを自社で保有・管理・運用する方法です。データセンターを契約したり社内にサーバルームなどを設けたりして、そこにSAPをインストールしたサーバーを設置します。

すべてを自前で調達する必要があるため、オンプレミスは初期費用がかかり運用の手間もかかります。ただ、基本的には自分達の配下にすべてのものがあるため、万が一トラブルが発生しても自分たちのさじ加減で対処が可能です。

特にSAPのような基幹システムは万が一停止すると業務へのインパクトが大きいため、オンプレミスで構築されるケースが多くあります。ただ、現在はその考え方が変化しているのも事実です。

 

 

・パブリッククラウド

 

パブリッククラウドとはAWS・Azure・GoogleCloudなどのサービスを指します。オンプレミスのようにインフラを自分で保有するのではなく、各業者が保有する資産の貸出を受けて利用する方法です。

S/4 HANAはパブリッククラウドでも構築できるようになっていて、近年はこちらの手法が増えています。これは、上記でご紹介した3つのパブリッククラウドサービスがS/4 HANAの構築を推奨しているからです。専用のWebページを設けて解説するぐらいに力を入れています。

インフラにパブリッククラウドを選択すると、初期費用の低減や管理の負荷減少などが期待できます。ただ、資産を自分たちで保有する仕組みではないため、トラブルが起きた際は各サービス事業者の対応を待たざるを得なくなります。

 

 

・SAP S/4 HANA Cloud

 

SAP社が独自に提供するSAPのクラウドサービスです。自分たちでSAPのインストールをする必要はなく、適したSAPのアプリケーション環境を月額料金で提供してもらえる仕組みです。

SAP S/4 HANA Cloudの魅力はインフラやアプリケーションを自分たちで管理する必要がなくなる点です。インフラの管理はSAPの運用において負担がかかりやすい部分であるため、そこをカバーしてもらえると運用しやすくなります。

ただ、アプリケーション環境だけを提供してもらうため、個別のカスタマイズは難しくなっています。基本的にはSAP社が提供しているアプリケーションを使うしかありません。今までの使い方によっては自社に適したS/4 HANAを導入できない可能性があります。

 

 

 

■インフラ環境ごとのメリット・デメリット

 

利用する環境ごとにメリットとデメリットがあるため、それぞれどのような内容であるのかご説明します。

 

オンプレミスのメリット・デメリット

 

メリット デメリット
自分達で好きなサーバーなどを用意できるサーバーなどの設置場所を選択できる自分達の都合でメンテナンスできるすでに運用しているインフラがあれば運用コストを軽減できる サーバーなどの購入で初期費用が高額になるインフラに関するすべての責任を負うアプリケーションの運用にも責任を負う

 

オンプレミスは自分たちでインフラ環境を用意できる反面、コストが高くなる傾向にあります。また、インフラもアプリケーションも責任をもって見なければならないため、スキルの高い人員の確保が課題となるでしょう。

 

 

パブリッククラウドのメリット・デメリット

 

メリット デメリット
インフラの確保はクラウドサービス側に任せられるインフラ機器を保有しないため物理的な管理が発生しない月額・年額で利用できるため初期費用が高額にならない トラブルが起きた際はクラウドサービス側の対応を待つしかないインフラのセッティングは自由に変更できないアプリケーションの運用には責任を負う

 

パブリッククラウドを利用すると、インフラ機器を保有する必要がないため、これに関する費用を抑えられます。サーバーなどを購入する費用だけではなく、人件費も抑えられる仕組みです。

ただ、インフラ面では楽になっても、アプリケーションの運用はしなければなりません。SAPに詳しい人員は多少なりとも必要になります。

 

 

SAP S/4 HANA Cloudのメリット・デメリット

 

メリット デメリット
インフラもアプリケーションも運用を任せられるサーバーなどを保有しないため人件費が抑えられる定期的にアプリケーションのバージョンアップを受けられる カスタマイズできる範囲が少ないトラブル発生時はSAPの社の対応を待つしかない

 

「S/4 HANAのインフラ」との観点では、SAP S/4 HANA Cloudを利用するのが無難です。専門的な部分はすべてSAP社が対応してくれるため、利用者はアプリケーションのことだけを考えればよくなります。

ただ、インフラに限ってはメリットがありますが、アプリケーションのカスタマイズがしにくいなどのデメリットがあります。少人数でSAPを利用する場合には良いかもしれませんが、インフラを簡略化するあまり、デメリットを被ってしまいます。

 

 

 

■S/4 HANAのインフラを検討するポイント

 

S/4 HANAのインフラを検討するにあたっては2つのポイントがあるため、これらのポイントについてご説明します。

 

運用費用

 

毎月や毎年の運用費用に注目すべきです。運用するインフラ環境によって、運用費用やその詳細には大きな差が出ます。

まず、SAPのライセンス料はインフラ環境を問わず支払う必要があります。利用するユーザーの種類や契約数に応じた費用が算出されるものです。ただ、オンプレミスやパブリッククラウドでは年単位で課金されるのに対し、SAP S/4 HANA Cloudでは月単位で課金されます。この違いについては抑えておきましょう。

また、インフラ環境を維持するための費用が大きく違います。オンプレミスではサーバーを設置する場所の費用・インフラを管理する人員の費用・インフラを管理するためのアプリケーションの費用などが必要です。つまり、まとまった費用が定期的に発生してしまいます。

しかし、クラウドを利用するとサーバなどを設置する費用が発生しません。インフラを管理する人員の費用は多少なりとも発生しますが、SAPをオンプレミスで設置するよりもはるかに安い金額です。

そして、SAP S/4 HANA Cloudならばインフラに関する費用は一切発生しません。厳密にはサービスの利用料金に含まれていますが、インフラに関する費用を注視する必要はなくなります。

 

 

運用負荷

 

どの程度の運用負荷に対応できるかにも注目しておきましょう。特にS/4 HANAのバージョンアップが必要となった際に、対応できるかどうかに注目すべきです。

オンプレミスやパブリッククラウドでS/4 HANAを構築すると、自分たちで運用しなければなりません。好きなように運用できる反面、高いスキルが求められる作業もこなさなければならないのです。また、問題を起こしてしまった場合は、自分たちの責任で解決するかSAPの有償サポートを受ける必要があります。

それに対しSAP S/4 HANA Cloudはバージョンアップなどの運用をすべてSAP社に任せられます。つまり、高いスキルがなくとも、高性能なSAPを使いこなせるのです。

社内に運用できる人員がいるならば、オンプレミスやパブリッククラウドを利用するとよいでしょう。逆にそのような運用が難しいならば、SAP S/4 HANA Cloudに頼った方が良いかもしれません。

 

 

 

■まとめ

 

SAPのインフラ環境についてご説明しました。主にオンプレミスとクラウドの選択肢があり、どちらにもメリットとデメリットがあります。求めるSAPの内容によって適したインフラが異なるため、どちらが良いとは一概には言い切れません。

ただ、近年はクラウド上にSAPを構築するケースが増えてきています。S/4 HANAはクラウドでの構築が可能であるため、一度クラウド化について検討してみると良いでしょう。

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