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実は中堅企業が多数!SAP ERPが中堅・中小企業に選ばれる理由とは

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【コラム監修者 プロフィール】

クラウドコンサルティング代表取締役 岸仲篤史

 

新卒でSAPジャパン株式会社に入社。

SAPジャパン在籍中にCOコンサルとして従事したことで、会計コンサルの面白さに目覚め、

大和証券SMBC株式会社 投資銀行部門、新日本有限責任監査法人、アビームコンサルティングにて、

一貫して約10年間、会計金融畑のプロフェッショナルファームにてキャリアを積む。

その後、2017年クラウドコンサルティング株式会社を設立し、SAPフリーランス向けSAP free lanceJobsを運営し、コラムの監修を手掛ける。

 

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はじめに

SAP ERPといえば、大企業向けの基幹業務システムとしてのイメージが強いですが、近年では中堅企業にも導入が広がっています。

その背景には、SAP ERPが大企業向けとされる理由や、2010年代以降の中堅企業向けソリューションの進化があります。

ここでは、その詳細と中堅企業がSAPを選ぶ理由について解説します。

 

 

 

1.SAP ERPが大企業向けと言われる理由

SAP ERPはもともと、多国籍企業や大規模な組織を対象に設計されました。

したがって、現在でもグローバル展開や高度な業務プロセスに対応できる柔軟性と拡張性が売りです。

また、財務管理、サプライチェーン管理、人事管理など、多岐にわたる業務を統合する機能が充実しており、複雑な業務要件を抱える大企業のニーズに応える形で進化しています。

一方で導入コストが高く、導入・運用に専門知識を要することから、「SAP ERPは大企業向け」という印象が根強く残っています。

 

 

 

2.2010年代からは中堅企業向けソリューションも充実

2010年代に入り、SAPは中堅企業のニーズに対応するため、コスト効率の高いクラウドベースのソリューションや、迅速に導入できるパッケージを提供し始めました。

特に「SAP Business ByDesign」や「SAP S/4HANA Cloud」といったクラウド型ERPは、中堅企業の業務規模やリソースに合わせた柔軟な展開が可能です。

こうしたソリューションの多くは初期投資を抑えつつ、必要な機能を段階的に導入することができます。

SAP ERPも徐々に従来の「大企業向け」の枠を超えつつあるのです。

 

 

 

3.中堅・中小企業向けのSAPソリューション

近年、SAPは中堅・中小企業向けに、さまざまなソリューションを展開しています。

ここではその一部を紹介します。

 

SAPは中堅企業向けに、業務効率化と成長を支援する多様なソリューションを提供しています。

以下に主要な製品とその特徴を具体的にご紹介します。

 

 

3-1.SAP Business ByDesign

SAP Business ByDesignは、SAPが提供する中堅企業向けのクラウド型ERPソリューションです。

財務管理、顧客関係管理(CRM)、人事管理、プロジェクト管理、調達・購買管理、サプライチェーン管理など、企業の主要な業務プロセスを統合的にサポートします。

業務の効率化とリアルタイムな情報把握が可能となり、迅速な意思決定を支援します。

 

 

3-2.SAP Business One

SAP Business Oneは、中小企業向けに設計された統合型ERPソリューションです。

SAP Business ByDesignと同様に、会計、財務、購買、在庫、販売、顧客関係、レポート、分析など、ビジネスの主要な機能を一元管理します。

Business ByDesignとの違いは「対象とする企業の規模」と「提供形態」ですね。

SAP Business ByDesignが中堅企業を対象としたクラウドベースのサービスであるのに対し、SAP Business Oneは中小企業向けのオンプレ型サービスです。

ただし最近はSAP Business Oneもクラウドサービスがありますので、両者の差は縮まっていると考えられます。

 

 

3-3.SAP S/4HANA Cloud

SAP S/4HANA Cloudは、クラウドベースの次世代ERPソリューションであり、中堅企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を促進します。

リアルタイムのデータ処理と高度な分析機能を備え、業務の俊敏性と効率性を向上させます。

また、業種別のベストプラクティスが組み込まれており、短期間での導入が可能です。

SAP S/4HANA Cloudには「パブリックエディション」と「プライベートエディション」が存在しますが、中堅・中小企業向けは「パブリックエディション」です。

パブリックエディションはSaaS型のサービスとして提供され、登場した当初は拡張性に制限がありました。

しかし2023年12月以降は、開発者拡張の開放など拡張性が補強され、中堅企業にとっての有力な選択候補になっています。

 

 

3-4.GROW with SAP

GROW with SAPは、中堅中小企業向けのソリューション群であり、SAP S/4HANA Cloud Public Editionを中心に、ビジネスの成長に合わせて拡張可能なソリューションを提供します。

拡張プラットフォームであるSAP Business Technology Platform(BTP)や、効率的なプロジェクト進行のためのツールと方法論「SAP Activate」などが含まれます。

旧システムからの移行方法がグリーンフィールド(新規導入)のみに限定されますが、中堅企業がSAP S/4HANA Cloudを活用して新システムに移行する際にはかなり便利なサービスとなっています。

 

 

3-5.業種別ソリューション

SAPは、中堅企業の特定業種向けにカスタマイズされたソリューションも提供しています。

例えば、製造業、小売業、サービス業など、それぞれの業界固有の課題に対応する機能が組み込まれており、業務プロセスの最適化と効率化を支援します。

 

 

 

4.中堅企業がSAPを選ぶ理由

中堅企業がSAPを選ぶ背景には、単なる業務効率化に留まらず、将来的な成長やデジタルトランスフォーメーション(DX)への対応を見据えている点があります。

SAPのクラウド型ソリューションは、中堅企業の現状のニーズに合った柔軟な機能を提供しながら、大規模な拡張や複雑な要件にも対応可能です。

「スモールスタートからのスケールアップ」が可能な点が、多くの中堅企業にとって魅力となっています。

また、「SAPは高い」というイメージの払しょくに努めており、業務シナリオのテンプレート化などにも対応。

最上流のFit&Gap分析や業務分析をある程度定型化できるので、全体的な導入コストが下がります。

90年代から2000年代までの「多機能で高機能だが、高くて融通が利きにくいSAP」からは徐々に脱していると言えるでしょう。

 

 

 

まとめ

SAP ERPはかつて大企業向けと見なされていましたが、2010年代以降は中堅企業にも対応可能なソリューションが数多く登場しました。

クラウド型の導入モデルや業種別の特化型モジュールを活用することで、中堅企業でも手軽に導入・運用が可能となり、DXを加速させる基盤として選ばれています。

SAPは今後も中堅企業の成長を支える重要なツールとして、その存在感を増していくでしょう。

 

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