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「SAP MMモジュールのナレッジ共有」No.3 SAP MMで利用するマスタの解説

■はじめに

SAP Freelance Jobs運営事務局です。

この度は「MMモジュールのナレッジ共有」と題し、数回に渡って、SAP ERPの「MM」の概要について解説していこうと思います。

今回は、MM関連の品目マスタとBPマスタについてお話します。

1.SAP MM関連のマスタとは

SAP MM関連の主要なマスタとして以下の5つが存在します。

・品目マスタ

・BPマスタ(仕入先マスタ)

・購買情報マスタ

・供給元一覧

・供給量割当

この中でも「品目マスタ」と「BPマスタ」については「購買情報マスタ」「供給元一覧」「供給量割当」を作成する際に利用されるマスタで、かつ、他モジュールでも利用されるため最も重要なマスタとなります。

SAP MMのトランザクションデータ「購買依頼伝票」や「購買発注伝票」を作成する際に、品目マスタやBPマスタで定義された品目や仕入先を指定して各伝票を作成する必要があります。

2.SAP MMに関連した品目マスタおよびBPマスタの解説

SAP MMで利用する品目マスタとBPマスタについて解説していきます。

2-1.品目マスタ

品目マスタとは、会社が販売する商品や、商品を作るために必要な部品など、全ての品目を管理するマスタになります。MM関連以外の様々なモジュールでも利用されるマスタです。「作業レベル」と「組織レベル」いう階層を設けて各情報を管理しています。

◆作業レベルとは?

品目マスタは、会社内の全ての商品や部品を管理するため様々な部門のユーザが利用します。そのため情報量が多くなってしまうので、各部門が品目マスタを扱いやすいように、各部門の作業ごとに項目の情報を画面に纏めております。テーブルの管理もこれに紐づくように管理されております。これを「作業レベル」の管理と言います。

主要な作業レベルは下記の通りです。

・購買管理
・作業計画
・販売管理
・会計管理
・MRP
・需要予測

これらの作業レベルにおいて、次に解説する組織レベルごとに情報を設定することができます。

◆組織レベルとは?

品目マスタには、プラントや保管場所などの組織に依存しない共通的な情報と、組織に依存する組織独自の情報が存在します。組織独自の情報とはプラントや保管場所などの組織で別々の内容を設定するような項目です。これを「組織レベル」の管理と言います。

主要な組織レベルは下記の通りです。

・プラント
・保管場所

品目マスタを設定する際は、各作業レベルの情報は組織レベルごとに設定する必要があります。例えば品目マスタの購買管理の項目「調達予定日数」がプラント1000では「5日」と設定し、プラント2000では「8日」と設定するなど、各プラントに設定してあげる必要があります。

次に品目マスタを構成するテーブルと、利用するためのトランザクションコードは次の通りとなります。

(1)テーブル

品目マスタの主要なテーブルは下記の通りです。

テーブルID テーブル名
MARA 一般データ
MARC プラントデータ
MARD 保管場所データ
MAKT 品名テキストデータ
MARM 数量単位データ
(2)トランザクションコード
機能名 トランザクションコード
品目登録 MM01
品目変更 MM02
品目照会 MM03

2-2.BPマスタ(仕入先)

BPマスタは、S/4 HANAから仕入先マスタと得意先マスタを統合して管理しているマスタです。

BPコードを主キーとして管理するマスタで、同一のBPコードで仕入先と得意先を設定することができ、「ロール」という役割を定義する項目で、仕入先の内容を設定するか、得意先の内容を設定するか、切り替えることができます。また仕入先や得意先だけではなく、「金融業者」や「代理店」など様々な役割を設定できるようになっております。

今回はMM関連の解説となりますので仕入先に設定する内容ついて解説します。

仕入先には、購買するために必要な会社の情報を設定します。例えば「取引するための通貨」や「取引した支払の条件」などです。

SAPの仕入先のデータは、会社コード単位で分けたい項目や購買組織単位に分けたい項目で以下のように分類されております。

・一般データ

住所や社名などの会社コードや購買組織に依存しない共通的な情報が設定されます。

・会社コードデータ

会社コード毎に設定するデータで、統制勘定コードや源泉徴収税、自動支払処理の設定など、会計関連の情報を設定します。

・購買組織データ

購買組織毎に設定するデータで、購買発注通貨や支払条件などの購買関連の情報を設定します。

(1)テーブル

BPマスタの主要なテーブルは下記の通りです。

テーブルID テーブル名
LFA1 一般データ
LFB1 会社データ
LFM1 購買組織データ
LFBK 仕入先の銀行データ
(2)トランザクションコード
機能名 トランザクションコード
ビジネスパートナ更新 BP
仕入先登録 XK01
仕入先変更 XK02
仕入先照会 XK03

3.SAP MM関連のマスタまとめ

本記事では、SAP MMの品目マスタとBPマスタについて解説しました。

この2つのマスタは、冒頭に記載した通りSAPMMを導入する際に最も主となるマスタであり、SAPコンサルタントは既存システムのマスタを、どうやってSAPのマスタに置き換えるか検討し提案していく必要があります。また、SAPアドオン開発やSAPシステム保守、運用を担当する際にも必要となる知識になりますので、しっかりと身に付けておく必要がある知識になります。

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