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「SAPに集約されたデータの活用方法」NO.5 SAP CRMを軸に顧客関係管理の強化!データを活用した取り組みについて解説

はじめに

近年は、顧客とのチャネルが増えてきたことから、顧客関係管理が今まで以上に重要視されています。これまでも、マーケティングの世界で重要視されていた概念ですが、現在はそれ以上に重要となっているのです。

顧客関係管理を強化する方法はいくつもありますが、データという事実に基づくことが重要視されます。SAPならば、「データに基づいた顧客関係管理の強化」を実現できるため、今回はこちらについて解説します。

 

1.SAPは顧客関係管理の強化に役立つ

SAPは、企業が顧客関係管理(CRM)を強化する際に役立ちます。SAPには、ビジネスプロセスを効率化しデータ分析を改善するソリューションが含まれているからです。

 

例えば、SAPのCRMソリューションは、営業、マーケティング、サービス部門などの機能を統合し、顧客との関係を向上させる機能を有しています。例えば、以下のような機能です。

  • 顧客データ管理
  • セールス
  • サービス
  • マーケティング
  • eコマース

これらは一例ですが、SAPのソリューションを利用するだけで、簡単に顧客関係管理を実現できるようになっているのです。また、ソリューションが提供されているだけではなく、大量のデータを蓄積して管理できるようにもなっています。これにより、以下に解説するようなメリットや顧客関係管理の方法を実現できるのです。

 

 

2.SAPで顧客関係管理を強化するメリット

SAPで顧客関係管理を強化することには、いくつものメリットがあります。最低限、皆さんに理解してもらいたいメリットは以下のとおりです。

 

2-1.顧客維持率の向上

SAPで顧客関係管理を実現することで、顧客維持率が向上するメリットがあります。顧客情報や取引履歴を一元管理することで、顧客ごとのニーズを把握しやすくなり、それに合わせたサービスなどを提供できるようになるのです。顧客満足度が高まることでリピート率が上昇し、長期的な顧客ロイヤルティを確保できます。

 

また、SAPによる顧客関係管理は、顧客の離脱を早期に察知することにもつながるでしょう。このような顧客に対して、対処することも可能となります。適切なアプローチは、顧客離脱のリスクを減らすメリットを生み出すものです。

 

2-2.売上高の増加

SAPのデータを活用することで、顧客との関係性が強化されれば、売上高の増加が期待できます。例えば、顧客データを効果的に活用し、セグメント別のマーケティング戦略を立てることです。これにより、顧客の購買意欲を刺激し、売上の向上につながります。

 

また、SAPを使った顧客関係管理では、クロスセルやアップセルの機会を増やすことが可能です。顧客の行動をもとに、関連商品や高額商品を効果的にアプローチ可能となり、売上高を大幅に増加させられると考えられます。

 

2-3.マーケティングROIの向上

既存のデータを活用した顧客関係管理であるため、マーケティングROIが向上します。SAPとは別のツールを導入する、データを個別に分析する必要がないため、少ないコストでマーケティングを実現できるようになるからです。マーケティング予算をより効果的に活用し、ROIを高められるツールだと考えましょう。

 

加えて、SAPを活用して顧客関係管理を強化することで、マーケティング活動の効果測定も容易になります。例えば、各施策の成果をリアルタイムで確認できるようになるため、必要に応じて、改善や最適化に取り組むことが可能です。マーケティング戦略の柔軟性を高めることにもつながり、より効果的な施策を展開できるようになります。

2-4.カスタマーサポートの改善

顧客関係管理を強化することで、カスタマーサポートの質が向上します。顧客情報や問い合わせ履歴を一元管理できるため、サポート担当者は迅速かつ的確な対応が可能となるからです。これにより、顧客満足度が向上し、口コミや評判の向上につながるでしょう。

 

他にも、SAPにデータが集約されていることで、顧客の問題や要望を把握しやすくなります。これは、クレームなどが発生した際に、改善策を迅速に立てることに役立てられる情報です。カスタマーサポートにデータを活用することで、顧客関係管理を強化し、競争力を高められるでしょう。

 

 

3.SAPのデータを活用し顧客関係管理を強化する基本的な方法

SAPのデータを活用して、顧客関係管理を強化する方法はいくつもあります。今回は、データの流れを踏まえて、どのような活用が考えられるかを紹介します。

 

3-1.顧客データの一元化

関係管理を強化するためには、顧客データの一元化が重要です。データが分散していると、事実の把握に時間を要してしまい、顧客とのコミュニケーションまで進められません。また、データが分散していることによって、必要な情報を見落としてしまうリスクがあります。

 

その点で、SAPを活用して顧客関係管理を強化すれば、情報はSAPに集約されています。適切なソリューションが提供されているため、それを軸にSAPのデータを活用すれば、必要な情報を簡単に確認できるのです。他のシステムを利用するよりも、SAPに軍配があがると考えましょう。

 

さらに、SAPのデータは、効率よく検索できるように考えられています。一元管理するだけではなく、検索までできることが求められたとしても、SAPならばどちらも解決可能です。

 

3-2.顧客ニーズの分析

SAPに集約されたデータを踏まえて、顧客ニーズの分析を進めましょう。近年は新しいソリューションとして、「SAP Analytics Cloud」など、SAPのデータを分析するものが提供されています。このような製品を利用することで、簡単に顧客ニーズを分析できるのです。

 

データを分析する際は、「どのような製品やサービスを求めているか」「どこに不満を持っているか」などを軸としてみましょう。この部分の分析を進めることで、顧客関係管理を強化しやすくなります。事前にソリューションの設定を済ませ、ぶれないように分析することが大切です。

 

3-3.コミュニケーション

顧客のデータやニーズを踏まえて、パーソナライズされたコミュニケーションを取らなければなりません。顧客関係管理を強化するためには、画一的なコミュニケーションは避けるべきです。SAPには、大量のデータが管理されているため、これらを踏まえたコミュニケーションを意識するようにしましょう。

 

それぞれの顧客に適したコミュニケーションを取れば、売上げアップなどの効果が期待できます。例えば、今までの購買履歴を元に新製品を紹介すると、購入につながる可能性が高まるでしょう。「自分に適した情報を提供してくれる」と感じてくれるため、顧客関係をより強固なものにできるのです。

 

また、パーソナライズされたコミュニケーションは、顧客満足度の向上にもつながると考えられます。SAPのデータに基づいた、最適なコミュニケーションを取ることで、より自社を魅力的に感じてくれるはずです。

 

3-4.ライフサイクル管理

顧客との関係性を踏まえた、ライフサイクル管理も意識するようにしましょう。企業と顧客がどの段階にいるかを把握し、適切なコミュニケーションを意識します。例えば、初めての顧客と5年間リピートしている顧客では、ライフサイクルが大きく異なるのです。

 

SAPのデータを分析すれば、顧客がどの段階にいるかを容易に把握できます。そのため、それぞれの顧客に対して、どのようなアプローチやサポート、フォローアップをすれば良いのか一目瞭然です。これにより、顧客と中長期的な関係を築けるようになります。

 

ただ、ライフサイクル管理で注意したいのは「段階」の定義です。これを誤ってしまうと、データから分析した結果が顧客関係管理に活かせません。つまり、SAPに蓄積されたデータを活用できないまま終わってしまうのです。ライフサイクル管理の要となる部分であるため、ここは時間を掛けて検討しましょう。

 

3-5.顧客満足度調査

顧客との関係性を評価するためにも、顧客満足度の調査が求められます。SAPに関連する製品として「Qualtrics」と呼ばれるものがあるため、こちらを活用して満足度を調査してみましょう。これにより、データに基づいた顧客関係管理が、適切なものかどうかを確認できます。

 

顧客関係管理の調査結果が良好であれば、現在の顧客関係管理は問題ないでしょう。逆に、結果が悪いならば、

何かしらの問題を抱えていると考えられます。SAPのデータを活用できていないか、そもそも、対応の方針に問題があるなどです。

 

フィードバックの収集は、顧客関係管理において重要な過程と考えられています。これらの期待に応えるためにも、指摘点はできるだけはやく改善しましょう。

 

3-6.クレーム管理

何かしらのクレームがあった際は、SAPに登録するなどして管理することが大切です。内容には左右されるものの、同じ内容が蓄積されるならば、真摯に受け止めることが重要です。データを分析し、似たようなクレームがないかは、常に把握するようにしましょう。

 

クレームを放置すると、顧客からの信頼を失うことになりかねません。自社に問題があると判断されたならば、できるだけ早く対応するようにしましょう。データ分析を活用して、顧客関係管理を強化していても、クレームを放置するようでは意味がなくなってしまいます。

 

3-7.売上分析と予測

顧客関係管理が強化されたならば、売上分析と今後の予測にも力を入れるべきです。過去の売上データを基に、売上のトレンドや季節性を分析し、将来の売上を予測します。これにより、適切な在庫管理やプロモーション活動を計画できるでしょう。

 

段階が進み、顧客関係管理が徹底されていれば、売上の予測が大きくブレることはないと考えられます。SAPに蓄積されたデータを、適切に活用するからこそ得られるものがあるため、自社の拡販などまでチャレンジすべきです。

 

 

まとめ

SAPのデータを活用した、顧客関係管理について解説しました。SAP CRMと呼ばれるソリューションが存在しますが、それ以外にも顧客関係管理に役立つソリューションが存在します。これらに蓄積されたデータを活用し、顧客関係管理の強化に努めてみましょう。

 

なお、データは蓄積されているものの、どのように分析するかなどは利用者に委ねられる部分です。ここで判断を誤ってしまうと、思うような効果を得られないかもしれません。データ活用の際には、分析手法などを吟味することが重要です。

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