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    鍋野敬一郎のSAPソリューション最新動向#09

    こんにちは!SAP Freelance Jobs運営事務局です。

    弊社では、SAPジャパン株式会社出身で、ERP研究推進フォーラム講師でもある株式会社フロンティアワン 代表取締役 鍋野敬一郎氏をコラムニストとして迎え、「鍋野敬一郎のSAPソリューション最新動向」と題し、SAPのERP製品情報や最新技術情報を全12回にわたってお届けしています。

    第9回目である今回は、「SAPベストプラクティス」について取り上げます!

    これからSAPに携わるお仕事をしたい方も、最前線で戦うフリーランスSAPコンサルタントの方も、ぜひ一度読み進めてみてください!

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    鍋野 敬一郎 プロフィール
    株式会社フロンティアワン 代表取締役
    ERP研究推進フォーラム講師
    1989年 同志社大学工学部化学工学科(生化学研究室)卒業
    1989年 米国大手総合化学会社デュポン社の日本法人へ入社。農業用製品事業部に所属し事業部のマーケティング・広報を担当。
    1998年 ERPベンダー最大手SAP社の日本法人SAPジャパンに転職し、マーケティング担当、広報担当、プリセールスコンサルタントを経験。アライアンス本部にて戦略担当マネージャーとしてSAP Business All-in-One(ERP導入テンプレート)立ち上げを行った。
    2003年 SAPジャパンを退社し、コンサルタントとしてERPの導入支援・提案活動に従事。
    2005年 独立し株式会社フロンティアワン設立。現在はERP研究推進フォーラムでERP提案の研修講師、ITベンダーのERP/SOA/SaaS事業企画や提案活動の支援、ユーザー企業のシステム導入支援など、おもに業務アプリケーションに関わるビジネスを行っている。
    2015年よりインダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ(IVI):サポート会員(ビジネス連携委員会委員、パブリシティ委員会委員エバンジェリスト)

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    ■はじめに

     SAPで良く使う言葉に『ベストプラクティス』という言葉があります。これを意訳すると標準モデルや標準シナリオという意味になります。このSAPベストプラクティスとは、実はSAPのERPに組み込まれて利用できる業務処理プロセス(業務シナリオ)のことです。機能1つ1つがブロック単位となっていて、これを組み合わせて有効化すればシステムが直ぐに利用できる仕掛けです。SAPの業務アプリケーションは、こうした業務シナリオが1,000以上もあってこれが全て不整合なく連携しています。ベンダによってERPシステムはそれぞれ特徴がありますが、SAPの特徴はこの業務シナリオが豊富にあって、その業務シナリオが絶妙に連携しているところが最大の強みだと言えます。
    今回は、SAPのERP製品の強みであるSAPベストプラクティスについてご紹介いたします。
     

    ■SAPのベストプラクティスとは
     SAPベストプラクティスとは、冒頭でもご紹介した通りSAPのERP(SAP ERPやSAP S/4HANAなど)で標準の業務シナリオとしてシステムに組み込まれているブロック単位で利用可能な業務処理プロセスです。例えば、顧客から注文を受けた場合は販売管理機能で「引合い→見積り→受注→契約」という業務処理を行って受注処理が確定してから、在庫管理機能の発送手配(出荷処理)や、販売管理と財務会計にまたがる請求処理(売掛)を行うのですが、これは1つ1つの業務プロセスを連携して一連のプロセスとして処理しています。SAPの業務システムでは、こうした処理ごとにデータを更新処理して関連するデータが連携しています。
    SAPベストプラクティスは、SAPのウェブサイトで全て見ることが出来ますし、SAPのトレーニングに行くとその業務シナリオにサンプルの組織や商品などのマスタを追加設定した実際に動くデモ環境として触ることも出来ます。つまり、SAPが全てのユーザー企業やパートナー企業向けに提供しているシナリオ集であり、また稼働するデモ環境でもあります。さらに、このSAPベストプラクティスは、業種業態ごとにシナリオ構成が異なります。製造業の機械部品メーカー向けのシナリオを利用して、ここにパートナーが独自の機能やシナリオを追加すればパートナーの導入テンプレートとなります。SAPでは、こうしたテンプレートの開発や利用を推奨しています。

     SAPベストプラクティスは、インターネットから全て見ることができます。SAPの製品カテゴリ、製品バージョン、国と言語ごとにその内容を検索できます。このメニューをたどると、製品別にソリューションの情報(Solution Information)やビジネス上の価値(Business Benefits)、特徴(Key Competitive Differentiators)、内容説明、実現されている業務プロセスなどをいつでも見ることができます。ウェブサイトのページと公開されている業務シナリオを参考までに記載しておきます。また、SAPベストプラクティスは、SAP Best Practices Exploreのトップページ(URL:https://rapid.sap.com/bp/)から、見たいシナリオを見ることができます。
     

     
    (図表1、SAPベストプラクティスとは)
     

    (図表2、SAPベストプラクティスのフロー)
     
     
    ■全てのビジネスプロセスを網羅された巨大な業務シナリオ群
     SAPベストプラクティスは、膨大な業務シナリオの集合体ですが、このシナリオ1つ1つは、他の業務シナリオとぶつからないようにビルディングブロックという考え方で業種業務ごとに整理されています。一般的なSAP導入プロジェクトでは、お客様からの要件を受けて、このSAPベストプラクティスの中から有効と思われるシナリオ(ブロック)を1つずつ探して、このシナリオの機能を確認してシステムを積み上げていきます。
    この作業は、レゴのブロックを使って自分が作りたいモノ(橋や建物、ロケットや飛行機など)を作る作業に良く似ています。お客様個別要件などブロックの機能では足りない場合は、パートナーが不足を保管する機能を独自に作って対応します。SAPでは、パートナー企業がSAPベストプラクティスをベースにして独自のテンプレートなどを開発することを推奨していて、SAPが認証したパートンーのパッケージソリューションはSAPのウェブサイトから検索することが出来ます。「SAP Qualified Partner Packaged Solutions」と呼びます。

     SAPベストプラクティスは、①導入・設定文書、②パラメータ設定、③マスタデータ(サンプル)の3つから構成されています。業種ごとに、対応した業務プロセスを「ビルディングブロック」として選んで、これを有効化すればシステム上ですぐに利用することが出来ます。各種文章を見ながら、実施に稼働するシステムで機能検証や動きを見て導入作業を進めることが出来ます。また、業界ごとサブインダストリーごとに固有要件がある場合は、この不足機能をパートナー企業が補完して独自テンプレートとして提供するケースが良くあります。
     

    (図表3,SAPベストプラクティスをベースとしてお客様向けにソリューションを提供)
     
     例えば、IM&C産業用機械・構成部品業界向けベストプラクティスのシナリオを参考例としてご紹介すると。基本的な組織設定に必要なビルディングブロックとして、J02組織構造、J03財務会計、J04販売管理などを選択して有効化します。「JXX」の“J”は日本企業の一般的な設定を意味しています。これに、組立加工系機械メーカーの業種要件のビルディングブロック群から必要なブロックを選びます。「E85」MTS製造バージョン・かんばんの機能を選んで、この文書やプロセスフローを確認することが出来ます。概ね使えそうだと思えば、これを選択します。
    また、販売している製品に危険物が含まれるものがあり特定の商品に関して危険物取扱いの対応が必要な場合には、IM&Cのシナリオには含まれていない「3G8」販売危険物(受注と出荷で危険物チェックを行う業務プロセス)のビルディングブロックを追加してシステムを構築することが出来ます。SAPベストプラクティスは、全てのブロックがコンフリクトすること無く利用できるように配慮されています。(100%ではない)
     

    (図表4,IM&C産業用機械・構成部品業界向けベストプラクティスのシナリオ)
     

    (図表5,SAPベストプラクティス:E85:MTS – 製造バージョン・かんばん)
     

    (図表6,SAPベストプラクティスを利用したお客様個別要件への対応イメージ)
     
    ■今回のまとめ
     今回はSAPベストプラクティスについてご紹介しました。SAPのアプリケーションコンサルタントや、業種別ソリューションなどに関わる方には身近なソリューションですが会計だけの利用や業界別や部門をまたがる業務プロセスにSAPを利用していないユーザー企業にとっては触る機会が少ないかもしれません。
    SAPベストプラクティスは、ウェブ上で公開されていますので、興味がある人は時間があるときに気軽にサイトを見てみると面白い発見があると思います。(SAPのパートナーやユーザー企業でなくても会員登録して閲覧できると思います)また、SAPのパートナー企業に興味があるベンダさんならばこのシナリオは自社の強みと組合せて独自テンプレートを開発する参考になると思います。