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「SAP ERPエンジニアが初めてSAPを学んだら」No.6 SAP S/4 HANA 購買管理MM(Material Management)概要

■はじめに

SAP Freelance Jobs運営事務局です。この度、ERPエンジニアがSAPを初めて学び、資格取得するまでの学び・実施内容の第6回となります。

毎回記載しておりますが、国内にSAPエンジニアが多くいるとはいえ、どのように学び成長出来たかの記事はあまり存在しません。前回でSAP S/4HANAの販売管理 SD(Sales and Distribution)概要を紹介しましたが、今回はその対となるSAP S/4 HANA 購買管理MM(Material Management)概要を紹介します。
販売管理だけを導入する企業は非常に限られており、多くの企業では販売管理だけでなく購買管理も合わせて導入をしています。

これからご自身がSAPエンジニアを目指す方、また自社内にSAPエンジニアを育成したい方には有益な記事になっておりますので、是非最後までご一読頂けますと幸いです。

1.SAP S4/HANA 購買管理 (MM)とは

SAP S4/HANA 購買管理(MM)とは他部門からの購買依頼または得意先から注文を受け、購買依頼・購買発注情報を登録し、入庫、請求書照合するプロセスを一元管理する仕組みです。またその結果として、今どのようなモノがどこにあるのか、どのような手配状況なのかを確認することが可能になります。

SAPを使うほどの企業規模になると、一連の購買業務を複数の部門に跨って分担して処理を進めます。購買管理を理解する為には、どの処理をどの部門で行うかイメージできることが重要になります。

2.SAP S4/HANA 購買管理(MM)の代表的なプロセス

SAP S4/HANA 購買管理(MM)の代表的なプロセスは、購買依頼伝票登録・購買発注伝票登録・入荷伝票登録・入庫確認・請求伝票登録です。それぞれの意味合いは以下の通りとなります。

購買依頼伝票登録:

名前の通り、購買の依頼を登録します。他部門から購買部門に購買依頼を登録、もしくはMRP(Manufacturing Resource Planning:必要な場所に必要な時に必要なモノを計画する仕組み)により購買依頼伝票を作成します。

購買発注伝票登録:

購買部門にて仕入先に発注をする為の登録です。一般的には本登録処理後で発注先に注文書(発注書と言うこともあります。)を送ります。

入荷伝票登録:

仕入先からの納期情報を購買部門にて登録します。

入庫確認:

物流部門や倉庫で入庫時に行う処理です。入荷伝票に対して、入庫の登録をします。倉庫から入荷実績をEDIデータで受領し、一括で登録することも多いです。

請求伝票登録:

請求書照合と呼ばれることもあります。会計伝票が登録されます。買掛金が計上されます。

3.購買依頼伝票登録

SAPを導入する規模の会社では、別途購買部門が設けられていることが多いです。各部門から購買部門に購買依頼を登録します。もしくはMRP(Manufacturing Resource Planning:必要な場所に必要な時に必要なモノを計画する仕組み)により必要な在庫が計画され、購買依頼伝票が作成されます。必要な品目と数量と希望納入期日を登録します。どこから購入するのか依頼する部署からは不明なことが多い為、購買依頼伝票の入力では仕入先の情報は任意項目となります。また、各部門担当者で好き勝手に登録を実施できないよう、承認処理を設けることができます。承認処理は数量や金額により制御することができます。

4.購買発注伝票登録

仕入先にモノを発注したり、作業を発注する為の登録です。購買部門により処理を実施することが多いです。購買依頼伝票を呼び出し、仕入先・価格・プラント/保管場所を指定して登録をします。こちらも承認処理を設けることが可能であり、承認が無い限り後続処理を不可とすることができます。一般的には本処理後、仕入先に注文書(発注書と言うこともあります。)をメールまたはFAXで送ります。注文書は各企業により表示項目やレイアウトが異なることも多い為、アドオンで作成することが一般的です。また、注文書情報は発注先にEDI連携をする場合もあります。

5.入庫伝票登録

多くの仕入先は注文が届いた後、納期を連絡してくれます。納期回答を入庫伝票に購買部門にて登録することが可能です。当処理は省略し、後述の入庫登録に進むことも多いですが、納期回答情報を登録しておくことで発注したモノがいつ届くか確認が可能となります。特に輸入の場合には納期が長く、変更となることも多い為、当処理は実施した方が望ましいです。

6.入庫登録

倉庫で入庫が終わった際に物流部門や倉庫で登録します。手動で操作をすることもありますが、倉庫で別システムを使用している際には入庫データを連携IFとして受領することも多いです。

その際、SAPでは在庫が増加し、入出庫伝票・会計伝票が登録されます。会計伝票の仕訳としては、製品 / 入出庫仮勘定 といった仕訳が発生します。外注の場合には経費が仕訳で計上されます。

7.請求伝票登録

入庫確認した入荷伝票に対して請求伝票を登録します。一般的な購買管理システムでは仕入伝票登録や検収登録と呼ばれていることもあります。仕入先からの納品書や請求書を元に購買部門や経理部門で登録することが多いです。その際、会計上の仕入が計上されます。仕訳の例では 買掛金 /入出庫仮勘定 となります。

請求伝票は購買発注伝票・入荷伝票を参照して登録する為、ほとんど入力する項目はありません。基本的には呼び出して登録するだけの運用が多いです。

8.SAP S4/HANA 購買管理(MM)の代表的なマスタ

各登録画面にて仕入先の名称やモノの名称を都度都度登録することは非常に煩雑な為、マスタとして登録することが可能となっています。マスタは非常に多く存在しますが、以下主要なマスタを紹介します。

品目マスタ:

最も購買管理で重要なマスタです。品目コード・品目タイプ・名称・サイズ・数量単位など含め、品目に関連する情報を管理します。品目タイプは製品や商品など、品目マスタに必要な項目の表示・非表示を制御する非常に重要な項目となります。モノだけに限らず作業を依頼する場合にも品目マスタに登録が必要となります。

ビジネスパートナー(BP)マスタ:

購買活動に登場するすべての取引先を管理します。発注先・出荷先・請求先など、内部で分かれて定義をします。

購買条件マスタ:

購買発注登録時に表示する価格の為に設定するマスタです。期間や単価や消費税計算・値引きや運賃等のルールを決めています。

その他、購買情報マスタ・供給元一覧マスタ・供給量割当マスタも非常によく使うマスタです。

9.おわりに

今回はSAP S4/HANA 購買管理(MM)の概要を記載しました。
SAP はソリューション領域やサービスが非常に広範ですが、各ソリューション領域でも機能が非常に豊富な為、学習コストが非常に大きくなります。
本記事のような概要を整理した記事を確認することで、より全体感を理解して学習が可能となりますので、是非参考にして頂けると幸いです。

次回以降も、各ソリューションの概要や資格取得に向けての研修受講状況や学習方法を紹介していきます。

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