ビジネスプロセスの自動化はDXの要!SAPを自動化するメリットや事例を解説
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はじめに
ビジネスプロセスの自動化は、従来の手動処理に代わって、コンピューターなどを利用して業務を自動化することです。これにより、人為的ミスを減らし、業務のスピードを向上させ、生産性を高められます。
SAPはビジネスプロセスの自動化において、企業が利用できる豊富な機能を提供しています。以下では、SAPを利用してビジネスプロセスを自動化する方法について、詳しく説明します。
1.ビジネスプロセスを自動化する「SAP Build Process Automation」
SAP Build Process Automationは、SAP社が提供するビジネスプロセスオートメーションソフトウェアです。これを採用することで、コードを書かなくとも、ワークフロー管理やロボティックプロセスオートメーションの機能が利用できます。結果、ビジネスプロセスを適応させたり改善したりイノベーションしたりすることが可能です。
重要なことはSAP Build Process Automationは、ビジネスユーザーや技術者が自分たちのニーズに合わせてプロセスを自動化できる製品という点です。専門家に依頼することなく、SAPの製品を利用するだけでビジネスプロセスを自動化できます。例えば、ドラッグアンドドロップやテンプレートなどを使って、簡単にワークフローやRPAを作成することが可能です。また、業界や業種ごとに最初からテンプレートが用意されていて、それを利用することでより簡単にビジネスプロセスを自動化できます。
2.DXでSAPのプロセスを自動化するメリット
DXでは「自動化」が大きな要と考えられています。なぜ自動化すると良いのか、そのメリットについて解説します。
2-1.作業効率の向上
DXによる自動化によって、単純作業や集計作業などをシステムに代行してもらえます。SAPのプロセスを自動化することで、生産性や正確性の向上に繋がるのです。これにより、人間はより創造的な業務や価値の高い業務に注力できます。
また、デジタル化されたデータを有効活用することで、市場の変化に柔軟に対応したビジネスモデルの創出や改善も期待できます。SAPに限らず、DXによるビジネスプロセスの自動化は、企業の競争力や成長力を高められるのです。
2-2.クリエイティブな作業への注力
DXにより生産性を高められることで、人間はクリエイティブな作業へ注力できます。つまり、より創造的な業務や価値の高い業務に注力して新しい価値を生み出すことが可能です。
例えば、ビジネスプロセスの自動化により時間に余裕ができると、新たなビジネスモデルの開発や市場の変化への対応力を高めるなどの作業に対応できます。SAPのビジネスプロセスを自動化することは働き方改革だけではなく、企業の競争力や成長力を高めるメリットも生み出すのです。
2-3.管理業務の削減
ビジネスプロセスの自動化によって正確性が向上すると管理業務を削減しやすくなります。単純作業や集計作業などを自動化し、生産性や正確性を向上させると必要以上の管理業務が発生しません。
SAPは大量のデータを扱っているため、少しの管理業務でも積み重なると多くの時間を奪われてしまいます。時間をお金に換算すると無駄なコストが生じているでしょう。SAPのプロセス自動化は、管理業務というコストの削減にもつながります。
3.DXにより自動化できるビジネスプロセスの例
SAPを活用する業務を中心にDXではいくつものビジネスプロセスを自動化できます。具体的に何を自動化できるのか紹介します。
3-1.支払い管理や給与計算
SAPにより支払い管理や給与計算の業務を自動化することで、人的ミスや時間のロスを減らし、効率性や正確性を向上させられます。支払い管理や給与計算は複雑で煩雑な業務ですが、SAPによるDXを活用することで自動化し、業務負荷を軽減することが可能です。
また、支払い管理や給与計算などの定型的な業務はDXによって自動化される傾向にあります。「時代に乗り遅れない」という観点でも積極的に自動化するとメリットを享受できるのです。
3-2.要員管理
要員管理とはプロジェクトや組織において、必要な人材を確保して適切に配置するなど効果的に活用することです。SAPによるDXによって、この作業を自動化できます。
例えば、SAPの製品には「SAP SuccessFactors」と呼ばれるタレントマネジメント機能を有しているものがあります。この製品を軸にビジネスプロセスの自動化を進めることで、要員管理の効率化が可能です。
3-3.カスタマーエクスペリエンス
カスタマーエクスペリエンス(CX)とは、顧客が製品やサービスを購入する前から、購入して利用する後に経験する一連の体験のことです。SAPでは、デジタル技術やデータを活用して顧客のニーズやフィードバックを把握し、分析・可視化できるため、情報に基づいたCXの向上を実現できます。
今まではこのような作業に人間が対応していました。必要な情報を集めて、その内容を分析していたのです。しかし、SAPでビジネスプロセスを自動化するようにすれば、少しの操作で自動的に情報の収集から分析、結果のアウトプットまで対応してもらえます。
4.SAPでビジネスプロセスを自動化するために取り組むべきステップ
SAPでビジネスプロセスを自動化するためにはいくつもやるべきことがあるため、それらをステップに分解して解説します。
4-1.ビジネスプロセスの分析と評価
SAPでビジネスプロセスを自動化する前に、まず現行のビジネスプロセスを分析し、評価することが重要です。企業は業務フローを詳細に検討し、自動化に適した部分を特定する必要があります。また、改善の余地がある箇所や効率化が可能な部分を見つけ出すことで、自動化プロジェクトの成功率が向上するでしょう。
4-2.自動化の目標と範囲の設定
自動化の目標と範囲を明確に設定することは、プロジェクトの成功に欠かせないステップです。目標を設定する際には、企業のビジネス戦略や目標との整合性を確保することが重要です。また、自動化の範囲を決める際には、利益や効果が最大化される部分を選定し、リソースや期限を考慮することが求められます。
4-3.適切なSAPツールや技術の選定
SAPの自動化において、適切なツールや技術の選定は重要なステップです。SAPでは「SAPの自動化ツールを利用する」と「外部の自動化ツールでSAPも操作する」の選択肢があります。どちらにもメリット・デメリットがあるため、企業のニーズや要件に適したものを選びましょう。また、技術の選定においては、将来の拡張性や互換性を考慮し、長期的なビジネス目標に合致するものを選ぶことが重要です。
4-4.自動化のための設計と実装
自動化の設計と実装は、プロジェクトの成否を左右する重要なステップです。設計段階では、自動化されたプロセスが効率的で信頼性が高いことを評価しなければなりません。IT部門だけではなく、実際に利用するビジネス部門を巻き込むことが重要です。
なお、実装段階では導入するだけではなくテストとデバッグを実施しましょう。ビジネスプロセスを自動化できても、正確性に問題があっては本末転倒です。適切なテスト手法を用いて、システムの品質を保証することまでが求められます。
4-5.ビジネスプロセス自動化の監視と維持
SAPのビジネスプロセスを自動化した後も、定期的な監視と維持が必要です。システムは少しずつ陳腐化するものであるため、必要に応じてシステム的な改修をしなければなりません。
また、ビジネスプロセスが変化することもあるため、期待通りに機能しているかどうかを評価することも重要です。業務の変化に合わせて適切なビジネスプロセスが実装されている必要があります。
まとめ
SAPを活用したビジネスプロセスの自動化について解説しました。DXではプロセスの自動化が重要視されているため、SAPが絡む部分を中心に自動化してみましょう。これにより、人間はよりクリエイティブな仕事に注力できるようになります。
ビジネスプロセスを自動化する方法はいくつもあり、SAPの製品を利用するかどうかが大きな分かれ道です。全体をSAPに統一することで管理が簡略化できますが、コストなどとの兼ね合いもあるため、最適な製品を比較して見つけ出しましょう。