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SAPでもAIを活用できる!トレンドのテクノロジーでDXを推進

はじめに

SAPは機能を拡大していて、AIを活用したものが導入されるようになっています。近年は、幅広いアプリケーションにAIが導入されていて、SAPでも積極的に活用されているのです。

今やトレンドともいえる機能ですが、SAPのAIは詳しく知られていません。今回は、SAPをさらに使いこなすためにも、AIを活用したどのような機能が存在するのか紹介します。

1.ビジネスに特化したSAPのAI

一般的にAIは幅広い分野で利用されています。ビジネスに特化したものではありませんが、SAPにおいてはビジネスに特化したソリューションが提供されています。

まず、DXを意識したAIとなっているため、業務プロセスとの「一体化」が重要視されています。エンドツーエンドのビジネスプロセスにAIが組み込めるようになっているのです。これによって、AIが提示してきた情報による意思決定の高速化やインサイトの獲得などを実現できるようになっています。また、ビジネスプロセスの一部をAIに処理させることで、自動化を実現することも可能です。

また、SAPは幅広い業界で利用されているため、多くの情報から学習しています。具体的に、どのようなデータを活用して学習しているかは公開されていませんが、それぞれの業界について「詳しい」と理解して良いでしょう。AIを活用したDXを成功させるためには「特化したAI」が求められるため、この条件をSAPのAIは満たしています。

最後に、SAPはAIの活用について明確な方針を示している状態です。例えば、倫理基準やプライバシー保護に関する基準を示しています。このようなビジネスAIは「企業秘密を利用して学習していないか」という不安がつきまといがちです。しかし、SAPはそのような問題をクリアして、安心して利用できるAIをソリューションに組み込むようにしています。

2.SAPにおけるAIによるDXの実現ケース

SAP社によると、現時点で130以上のケースでAIを活用できるとされています。具体的に、どのようなケースでAIが活用できるのか紹介します。

 

2-1.経理・財務

経理や財務業務の自動化にAIを活用できます。また、処理を自動化するだけではなく、経理の不正を検知したり支払いの予測精度を高めたりすることが可能です。具体例を挙げると以下のとおりです。
請求書照合の自動化により、売上債権回転日数を短縮
マニュアルプロセスの自動化により効率アップ
信頼性の高いデータに基づいたより適切な意思決定
SAP S/4HANA Cloud に組み込まれた会社間マッチングおよび照合 (ICMR)
AIスクリーニングソフトウェアを利用した、リスクの高いサードパーティーとの取引回避
適切なアクセス制限によるミス、誤用の制御
事前トレーニング済みモデルを活用した購買発注の見越/繰延計算の合理化

2-2.サプライチェーン

サプライチェーンにおいては、状況を正確に把握する「コネクテッドAI」を活用することで、リスクに備えやすくなります。また、これにより現実的に持続可能なサプライチェーンの構築を実現可能です。具体例を挙げると以下のとおりです。
AIを活用した「デマンドセンシング」によるリアルタイムな樹叢予測
品目やリソース予測の精度アップによるコスト削減
AIによる外資検査の活用で生産性向上
品質検査の自動化やトラブル発生時の対応速度向上
在庫管理の自動化とAIによる遅くに基づいたサプライチェーンの効率化
設備の利用実績を踏まえて、AIによる耐用年数の算出や故障時期の予測

2-3.調達・購買

調達や購買は業務が多く、人間が細かい処理を担当するケースが多々あります。しかし、AIを利用することで業務の自動化を実現しやすくなり、簡単にDXを実現することが可能です。また、AIはデータをベースにした判断を下せるため、これによって調達や購買の意思決定をスムーズにできます。具体例を挙げると以下のとおりです。
調達から支払いのプロセス自動化や簡略化
今までの契約に基づいた適切なサプライヤーや契約の提案
過去の実績に基づいたサプライヤーへの問い合わせ事項の提案
消費状況を踏まえたサプライヤーへの相談タイミングの提示
企業全体での購買効率の向上
人材マネジメントシステムとの連携による人材調達の効率化

2-4.人事

人事は管理するデータの種類が多く、人間がすべての情報を適切に活用することは不可能です。管理するデータの種類は年々多くなっているため、活用が現実的ではなくなっています。しかし、SAPのAIソリューションは、これらの情報をすべて活用することが可能です。そのため、DXの一環としてAIを取り入れることで、データに基づいた人事を実現できます。具体例を挙げると以下のとおりです。
AIによる職歴分析で採用すべき人材かどうかを判断
社内のリソースを分析し、必要となる人材を提案
パーソナライズされた教育による、効率的なスキルアップ
要員の需要分析と確保タイミングの提示
従業員エクスペリエンスの向上に向けた業務の自動化

2-5.セールス・マーケティング

セールスやマーケティングの世界では、既存のデータ分析が非常に重要です。今までもこのようなシステムは存在していましたが、SAPにAIが導入されたことにより、SAP内で完結できるようになっています。今までのように、別のシステムと組み合わせる必要がなくなりました。これにより、今まで以上に効率よく販売計画や販売手段の拡大などを実現できるようになっています。具体例を挙げると以下のとおりです。
カスタマージャーニーの最適化
顧客の行動予想と顧客離れの防止
メールなど各種手段による効果的な製品のアピール
見積もりから受注へのコンバージョン支援
AIの分析による高確度製品の選出
受注処理の自動化や税管理の効率化

 

3.SAP社とMicrosoft社がAIについて連携

上記で解説したとおり、SAPはAIの活用で機能を拡大しています。今までのSAPも十分、分析機能に長けていましたが、AIとの組み合わせでさらに性能アップしたのです。

また、これと同時に注目したいこととして、SAP社はAI分野を強化するためにMicrosoft社と提携を開始しました。2023年5月に発表された情報によると、人事管理のクラウドサービス「SuccessFactors」に、Microsoft社の「Microsoft 365 Copilot」を導入することになっています。こちらのAIはGPT-4をベースに開発されたもので、文章作成や表計算などをサポートするものです。組み合わせて活用することで、人事管理の効率化が期待できます。

なお、こちらの発表の中では「SAPにおけるAIの活用はパートナー選びが重要」と述べています。現時点で共同開発が進められているため、SAPの他ソリューションについてもAIの導入が進められるかもしれません。

 

 

まとめ

SAPにAIが導入されたことで、どのようなDXを実現できるのか解説しました。AIは人間とは異なり、短時間で大量のデータを処理できるため、データに基づいた効果的な判断を実現できます。人間には難しい正確性で、必要な情報を提示してくれるでしょう。

また、SAPは業務アプリケーション大手ということもあり、業務に適したAIのモデルを開発しています。AIを活用したDXを成功させるためには、適切な知識を持ったAIの導入が必要不可欠です。SAPのAIならば、最初からこの点をクリアしているため、安心して導入できます。

なお、Microsoft社と連携していることから、今後も多くのソリューションでAIを活用できるようになるでしょう。具体的な変化については、今後の発表を待つしかありませんが、DXの流れを受けてAIを今まで以上に活用できるようになるはずです。

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