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経理部門こそDXを推進!SAPが役立つ理由と活用法とは

はじめに

近年はデジタルトランスフォーメーションが推進され、多くの企業でシステムが導入されるようになってきました。

SAPを活用するだけではなく、SAPのデータを活用したDXなどが注目されているのです。

このような状況において、特に重視されているのが経理部門のDXです。

日頃から多くのデータを取り扱う機会があるため、DXによる業務効率化は大きな効果をもたらします。

今回は、経理部門のDXに向けて、SAPをどのように活用すれば良いのか考えていきましょう。

 

 

 

1.経理部門の業務はどこに問題があるのか

経理部門は、企業のお金を全般的に管理する部門です。

そのため、業務改革などに力を入れている企業が多いのではないでしょうか。

経理部門が十分に活動できていなければ、経営陣は適切な判断ができません。

ただ、問題を抱えていることも多いため、その部分について考えてみましょう。

 

 

1-1.莫大な業務の処理

DXが進んでいない企業の多くで、莫大な処理を続けているでしょう。

企業がやり取りするお金の流れは多岐にわたるため、経理部門はこれら全てについて適切に処理しなければなりません。

お金のやり取りに問題が生じてしまっては、企業として信用力の低下などに繋がってしまいます。

そのような状況であることから、経理部門は現状を受け入れて黙々と作業しているケースが多く見られます。

例えば、取引先から受け取った請求書の内容をSAPに手作業で入力し、支払い処理などに繋げるのです。

特に変化を求めることはなく、現状の業務を疑問なくこなしている人は多いのではないでしょうか。

今まではこのような働き方も悪くありませんでしたが、現在は働き方改革や効率化が求められています。

そのため、このような働き方は見直すべきです。

現状について疑問を持ち、DXを推進するきっかけとしましょう。

 

 

1-2.業務の自動化や効率化が課題

経理部門に業務が集中する理由は、単純に作業量が多いからではありません。

お金の流れに関する部分であることから、業務の大きな変化を嫌い、自動化や効率化が進んでいないからです。

時代の変化と共に、自動化したり効率化したりできる部分を見直さないため、いつまでも経理部門に負担がかかっています。

これを改善するためには、SAPとDXを組み合わせて、業務の自動化や効率化が必要です。

例えば、取引先から提供されたデータを自動的に入力したり、拠点ごとではなく一括でデータを処理したりできるようにします。

DXには様々な手法があり、一概にどのような方法が良いとは言い切れません。

なお、業務の自動化や効率化にあたって、組織や業務フローの見直しが必要になるケースが考えられます。

例えば、組織体制をシンプルにして、承認者の数を減らすのです。

また、全拠点の情報を一元管理するチームを設立することも考えられます。

SAPとDXという観点ではシステム化だけですが、人材配置など会社の根本も時には見直さなければなりません。

 

 

 

2.SAPを軸としたDXのメリット

現在は、SAPのクラウドサービスがあり、中小企業を含めて簡単に導入できる時代です。

そのような状況においては、SAPを軸としたDXには以下のメリットが考えられます。

 

 

2-1.SAPへのデータ集約

SAPには非常に多くの機能があり、基幹システムとして十分な役割を果たしてくれます。

また、それぞれの機能についてSAPのデータベースへデータが保存されるため、実質的に情報の集約が可能です。

企業によっては、部門ごとにシステムを導入することで「サイロ化」していることがありますが、SAPに集約すればこのような状況を避けられます。

また、SAPには「SAP BW」のようなソリューションもあり、これを活用することで、SAP以外のデータも集約が可能です。

複数のシステムを利用していると、データが分散しがちですが、SAPなら経理部門が必要なデータが集まります。

 

 

2-2.既存システムのリプレース

現時点でシステム化しているならば「DXが進んでいる」と考えるかもしれません。

ただ、システムによっては、導入してから期間が経ち老朽化しているでしょう。

そのような場合は、SAPに置き換えることで改めてDXを推進できます。

例えば「SAP Business One」を利用すればSAPが提供するサービスのうち必要なものだけを利用可能です。

中小企業で、大規模なSAPが不要な場合でも、効率よくSAPに置き換えできます。

「SAPに置き換える=大規模なシステムへとリプレースする」というわけではありません。

しかも、SAPのクラウドサービスを導入すれば、定期的にバージョンアップが実施されます。

自分たちでシステムを管理すると、常に老朽化という課題を意識しなければなりません。

しかし、クラウドに任せてしまうことで、この問題を一気に解決できます。

 

 

2-3.経理システムのスムーズな導入

どのような企業においても、経理部門は非常に重要なポジションです。

そのため、SAPにおいても重要視され、多くのソリューションが用意されています。

特別な運用がなければ、SAPを導入するだけで基本的な業務の推進が可能です。

自分たちでシステムを開発すると、一般的な業務でも時間を要してしまいます。

SAPのように経理部門に強いソリューションを活用すれば、導入の負担を最小限に抑えることが可能です。

金銭的なコストも人的なコストも抑えられるため、スムーズにDXの恩恵を受けられます。

 

 

 

3.DXに向けてSAPを導入した後の活用例

すでにSAPが導入されている場合や新規に導入した後は、経理部門が実際に活用しなければなりません。

具体的に、どのような活用が考えられるのか、DXの観点から考えてみましょう。

 

 

3-1.請求書の自動処理

経理部門の大きな負担となるのは、先ほども述べた通り取引先からの請求書を処理することです。

企業によっては大量の請求書が提供されるため、地道に処理しなければなりません。

しかも、現在は改正電子帳簿法への対応もあり、今まで以上に手間が増えています。

例えば、帳票に関する書類をスキャンして、PDFデータとして保存していることがあるでしょう。

ただ、PDFは文字データではなく画像データであるため、一般的にはSAPへ手入力が必要です。

これでは経理部門のDXが進んでいるとはいえません。

そこで、PDFのデータを読み取るツールなどを利用すると、請求書の内容を自動的にSAPへと転記が可能です。

経理部門の担当者は、入力内容に誤りがないかなどを評価して、問題なければ承認するだけで済みます。

SAPと自動化ツールを組み合わせることで、さらなるDXを実現できるのです。

 

 

3-2.各種資料の自動作成

SAPへデータを集約することで、各種資料を自動的に作成できます。

事前に資料のテンプレートを準備しておけば、それに沿ってデータを当てはめたり計算して代入したりすることが可能です。

経理部門の担当者が、SAPなどのシステムを参照して手作りしていたものは、自動的に生成できるようになるでしょう。

事前に準備すれば、幅広い資料を作成できるようになります。

例えば、経営トップ向けに毎月の状況を報告する資料から、経理部門の内部で消し込み状況を評価する資料まで作成可能です。

また、株主総会など、外部に向けて開示するような資料も自動的に作成できます。

 

 

3-3.不正な取引の監視

経理部門に必要とされる業務として、不正な取引の発見が挙げられます。

不正な取引は、コンプライアンス面で非常に大きな問題となりかねないため、できるだけ早く発見しなければなりません。

ただ、一般的には早期の発見が難しい仕組みだからこそ、不正な取引が生じてしまいます。

しかし、SAPには不正を検知するソリューションが用意されていて、これにより不審な取引の発見が可能です。

人間がすべての取引を完璧に監視することは難しいですが、AIを軸としたソリューションの活用で、経理部門が早々に気づけます。

AIと組み合わせられることも、SAPを利用したDXの利点です。

 

 

 

まとめ

経理部門は昔ながらの業務を続けていることが多く、自動化や効率化が遅れがちです。

日本は変革を嫌うため、お金に関わる業務を変更したくないかもしれませんが、SAPを活用したDXに取り組んでみましょう。

紹介した通り、SAPを軸にDXを進めることで、業務の自動化が可能です。

これにより、経理部門の効率化や働き方改革に繋がるでしょう。

SAP Business Oneのように、小規模な事業者でも利用できるSAPがあるため、これらの活用も検討してみてください。

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