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SDMMについて

SDMMはSAPの販売在庫管理モジュールです。

SDMMイメージ

SAP SDモジュールとは、販売管理モジュールを指し、SAP MMモジュールとは、購買/在庫管理モジュールの事を指します。つまりSDMMとは、SAPの販売在庫管理モジュールの総称と言えるでしょう。

SAP SDモジュールとは?

SAP SDモジュールとは、販売管理モジュールのことで、英語のSales Distributionの略です。

SDモジュールでは、大まかにいうと3つのステップになります。まず1つ目は製品や材料などの品目を得意先から受注した際の受注伝票入力、2つ目は受注後その品目を出荷する際の出荷伝票登録、そして、3つ目として販売した得意先に対して請求伝票を登録する機能を持っています。また、請求情報をSAP FI(財務会計)モジュールに引き継ぐことができます。(売掛金の入金の確認や消込等は、FIモジュール側で行われます。)

上記は最も基本的なパターンを示しましたが、受注の中でもサンプル品などの無償出荷が行われるものや、無形のサービスなど、出荷を伴わない受注→請求の流れの業務も取り扱うことができます。更には、受注の前段階として、引合や見積の伝票を作成し、受注伝票作成時に参照登録することもできます。

SDモジュールでは、会社ごとの販売エリア(販売組織/製品部門/流通チャネル)で成り立っています。販売エリアの詳細につきましては、後述いたします。

 

SAP SDモジュールのマスタデータについて

SAP SDモジュールでは、前述1のフローを網羅しておりますが、マスタデータとしては以下のようになっています。

 

  • BPマスタ

SAP S/4 HANAのバージョンにおいては、品目の受注先にあたる得意先、逆に品目の購入元にあたる仕入先がマスタ上の構成としては1つのBPマスタとして統合されています。このBPマスタに、得意先の各属性情報を記録しています。

大きく分けますと、一般データ(名称、敬称、住所などの情報)、販売管理データ(販売エリア(販売組織/流通チャネル/製品部門)の単位の取引条件の設定や、受注時、出荷時、請求時に用いる情報)、会社データ(FIモジュール側で使用するための情報)の3種類があります。なお、BPマスタ冒頭の記載の通り、得意先、仕入先が統合されたもので、FIモジュールは勿論ですがMM(購買管理)モジュールやPP(生産計画)モジュール等でも共通して用いられます。

 

  • 品目マスタ

製品や商品などを記録するマスタになっております。品目マスタには、基本データ、分類、販売組織、販売一般/プラント、貿易管理輸出、購買管理、会計管理、その他多岐に渡る項目が記録できます。例えば、基本データでは製品の名称やグループ、基本数量単位、組織情報などが記録できます。

 

  • 条件マスタ

条件マスタは、受注伝票の販売価格に関する箇所で用い、複雑で細かな設定を行うことできます。概要といたしましては、販売組織、販売グループなどの単位で、細かに販売伝票の価格を決定する条件(価格決定表で構成されています)を設定することができます。

 

  • 出力マスタ

出力マスタは、受注、出荷、請求のそれぞれの伝票作成で使用するマスタになっております。伝票の出力を即時行うか、スケジューリングで行うか、メール出力か、印刷出力かなど、細かな設定をすることができます。

 

 

SAP SDモジュールのトランザクションデータについて

SAP SDモジュールでは、前述1のフローを網羅しておりますが、トランザクションデータとしては以下のようになっています。

 

  • 受注伝票

受注伝票は、受注先、出荷先、受注対象の品目、価格、数量等の入力、記録を行うことができます。受注伝票の種類といたしましては、通常の出荷を伴う受注、仕入先からの直送を伴う受注、商品に不備があった場合などで得意先から返品があった際の返品伝票などがあります。(返品伝票は個別項目を設け説明いたします。)通常の出荷を伴う受注では、受注伝票作成後、出荷伝票、請求伝票を作成する流れになります。

仕入先からの直送を伴う受注では、受注伝票作成と同時に、品目の購買依頼伝票(MMモジュール)が同時にできます。

購買依頼伝票は、MMモジュール内で購買発注→入庫の流れになりますが、ここでは割愛します。

返品では、返金のみを行うクレジットメモ、返金と返品を行う伝票、代替品の無償出荷を伴う伝票、代替品の無償出荷と返品を行う伝票の作成ができます。

受注明細は、1つの伝票で単一または複数の入力が可能です。1行の明細に1つの品目が入力可能です。受注伝票は項目が非常に多いため、代表的な項目について説明を行います。

 

  • 受注先

得意先コードを設定します。受注した対象の得意先を意味します。

 

  • 出荷先

得意先コードを設定します。多くの場合は、受注先と同じコードになりますが、出荷先を受注先と別に分け、受注先とは別の場所を指定することもできます。

 

  • 得意先発注番号

得意先コードとは別に、この項目を用いることで、得意先側で用いているコードを控えておくことなどができます。得意先側から見て、どの受注を出荷するのかの見分けが付けられるようにもなります。

 

  • 品目コード

受注明細1行に対して、1つの品目コードを入力することができます。得意先が何を注文したのかを示します。

 

  • 数量

受注明細1行に対して、1つの数量を入力することができます。得意先が注文した品目をいくつ注文したのかを示します。

 

  • 明細カテゴリ

明細カテゴリは、標準明細(通常の受注で使用)、無償明細(クレーム時の明細、サンプル品などの受注で使用)、サービス明細、テキスト明細などがあり、その明細の目的に応じて適切な明細カテゴリを選びます。

 

  • 出荷ブロック

何らかの要件で、出荷のブロックを行う必要が出た場合に、出荷ブロックを指定します。このブロックを指定することで、後続の伝票入力ができなくなります。

 

  • 請求ブロック

出荷ブロックと同様、何らかの要件で請求のブロックを行う必要が出た場合に、請求ブロックを指定します。このブロックを指定することで、後続の伝票入力ができなくなります。

 

  • 拒否理由

得意先からの受注はあったが、不良品があった場合、自社ないし顧客都合でキャンセルがあった場合、誤受注の場合、失注した場合など、この拒否理由を設定することで、受注明細を物理的に削除することなく、削除と同等の扱いができます。また、得意先からの取引がなくなった理由を残すことで、拒否理由のデータを集計することもできます。

 

  • インコタームズ

インコタームズとは、ICC(国際商業会議所)が輸出入の際の貿易条件について定めたルールのことを示します。受注伝票の明細で、インコタームズを設定することができます。例えば、EXW(Ex Works:工場渡)、FCA(Free Carrier:運送人渡)など、多岐に渡るコードが用意されております。

 

  • 与信管理

通常、企業間の取引では月末締め翌月払いによる一括請求など、月ごとにまとまった支払となっています。このことに関連し、債権を回収できなくなるリスクの対応として、得意先ごとに与信の上限を設定することができます。それが与信管理になります。受注伝票の入力の際、もし与信管理の上限額をオーバーした場合に、警告または受注のブロックをすることもできます。

 

  • 伝票フロー照会

画面上部の伝票フロー照会ボタンを押下し、受注伝票の後続の出荷伝票、請求伝票の有無や紐づきを確認することができます。

 

受注伝票(クレジットメモ・デビットメモ)

受注、出荷、請求まで進んだ時点で、請求時に不良品や何らかの誤りで金額の修正を行いたい場合などに、クレジットメモ、デビットメモを使用します。クレジットメモとは、売掛金を減らすことを示します。デビットメモは、売掛金を増やすことを示します。

 

  • クレジットメモ

クレジットメモを入力するには、受注伝票登録画面の受注タイプでクレジットメモ依頼というものを入力します。参照登録で、請求Docタブを開き、該当の請求伝票番号を入力することで、画面を進めることができます。明細画面で、修正分の数量、金額を入力し、そのほかの項目を必要に応じて入力し、保存することができます。

 

  • デビットメモ

デビットメモに関しては、クレジットメモと同様の操作で、受注伝票登録画面の受注タイプでデビットメモ依頼というものを入力します。他、クレジットメモと同様の操作を行い、保存することができます。

 

出荷伝票

通常の出荷を伴う受注等、受注伝票を参照して出荷伝票を登録します。

出荷伝票は、在庫引当、ピッキング、梱包、輸送計画、出庫確認等の情報を記録することができます。前提となる受注伝票との関係は、受注伝票:出荷伝票が1:1、1:N、N:1のそれぞれの場合で対応できます。例えば、1:1は、受注時の1つの納入日程に対し、1つの出荷伝票が対応している場合になります。1:Nは、受注時の1つの納入日程に対し、複数の出荷がある場合になります。N:1は、複数の受注を1つの出荷でまとめる場合になります。出荷伝票の代表的な項目については以下の通りになります。

 

  • 明細ステータス

利用可能在庫確認や梱包、出荷や請求など、それぞれのステータスがどこまで進んでいるかが表示されます。

 

  • ロット分割

出荷のロットを出荷明細上で複数に分割したい場合に使用します。

 

  • 貿易管理/税関タブ

税関を通すために必要な書類や条件が揃っているかを管理できるタブになります。対象の品目の原産国、仕向国、輸出手続き、取引のタイプを設定できます。システムステータスが表示されており、条件をクリアすると緑信号の表示になります。

 

  • 出庫確認ボタン

出荷伝票は保存しただけには、まだ在庫の払出は起きません。出荷伝票登録時に当ボタンを押下するか、出荷伝票登録後、出荷変更画面内で出庫確認ボタンを押すことで、出荷されるようになります。

 

無償出荷

サンプル品やクレームなどの何らかの理由で無償出荷し、請求をなしとしたい場合に用います。受注伝票を登録、出荷伝票を登録、ピッキングを管理するための転送指図を入力、出荷変更で出庫確認を行う流れになります。まず、受注伝票の受注タイプで無償出荷というものを入力します。通常の受注伝票と同様に得意先や品目、数量、金額を入力したうえで、受注理由を入力して保存します。保存後、出荷伝票の登録を行います。出荷伝票が登録されたら転送指図登録画面で、転送指図を登録します。この際、出荷伝票のピッキング数量が更新されます。最後に、出荷伝票変更画面を開き、出庫確認ボタンを押下することで、出荷完了になります。(無償なので請求はありません。)

 

請求伝票

請求伝票は、通常は出荷伝票を参照して登録します。ただし、サービスなど形のないものは出荷を伴わず受注から請求伝票を登録する場合もあります。通常の出荷伝票を参照した登録の場合、出荷伝票に紐づく得意先、品目、数量、納入日程等がコピーされ、登録されます。出荷伝票と請求伝票が1:1、1:N、N:1のそれぞれの場合で対応できます。

例えば、1:1は1つの出荷で1つの請求を行う場合になります。

1:Nは分割による請求を行う場合になります。

N:1は複数出荷を1つの請求としてまとめる場合になります。

請求伝票作成時、同時に会計伝票による、売掛金の計上が行われます。会計伝票から入金などの後続に関しては、FIモジュール側で行います。(ここでは詳細の説明は割愛します。)補足として、各項目の説明を以下で行います。

 

  • 条件タブ

請求する金額およびその内訳が確認できる価格決定表が表示されています。請求すべき金額に誤りが無いかをここで確認することができます。上記以外で、複合的なオペレーションが必要な伝票もございます。いくつか代表的なものをご説明します。

 

  • 預託品引渡、出庫

受注伝票の1つではありますが、通常の受注とは違い、他の専門の会社に受注を委託する場合に、預託品引き渡しを用います。流れとしましては、1.預託品引渡→2.出荷→3.転送指図→4.出荷変更→5.預託品出庫→6.出荷→7.請求となり、出荷以前の箇所(専門の会社に委託している分)の入力が増えることになります。

  1. 受注伝票画面上の受注タイプで預託品引き渡しのコードを入力し、画面を進めます。そして、通常の受注と同じように受注先、品目コード、数量、金額等を入力し、受注伝票を保存します。
  2. 後続の出荷伝票で、この受注伝票を参照して入力して、出荷数量などを入力して出荷伝票を保存します。
  3. 転送指図画面を開き、出荷伝票番号を入力ます。保存を行い、転送指図を登録します。
  4. 出荷伝票の変更画面を開き、ピッキング数量が入っていることを確認した上で、出庫確認ボタンを押下します。

この時点で、預託品の在庫となります。

5.預託品出庫では、受注伝票画面を用います。受注タイプで預託品出庫のコードを入力し、上記1と同じ受注先、品目コード、数量、金額などを入力して保存します。

6.出荷では、上記5で入力した受注伝票を参照し、出庫確認ボタンを押下し、出荷伝票を登録します。この時点で、預託品の在庫がなくなります。

7.請求では、上記6の出荷伝票番号を入力し、保存ボタンを押下して請求伝票を登録します。

以上で、預託品の引渡、出庫が完了となります。

 

返品伝票

返品の流れといたしましては、通常の受注→出荷→請求→返品受注(受注登録と同じ画面)→返品出荷→返品請求 となります。

返品受注から説明いたします。

  1. 返品受注では、受注伝票の画面の受注タイプで返品のコードを入力し、受注伝票を参照して画面を進めます。
  2. 受注伝票の画面の受注理由には、不良品などを選択し、その他の項目は受注時と同様の値が提案されていますので、そのまま保存します。
  3. 後続の出荷伝票では、通常の出荷伝票と同じ画面を開き、上記で保存した受注伝票の番号を入力し、保存します。
  4. 最後に、請求伝票では、通常の請求伝票と同じ画面を開き、上記で保存した出荷伝票の番号を入力し、保存します。

以上で、返品伝票の入力完了となります。

 

SAP SDモジュールのカスタマイズについて

SAP SDモジュールでは、顧客の要件に合わせて、受注、出荷、請求等について細かなカスタマイズを行うことができます。具体的には、以下の通りになります。

 

  • 販売伝票タイプ

受注を登録する画面で受注タイプを入力する必要があります。この受注タイプが販売伝票タイプに該当します。SAP標準で用意されている受注伝票タイプ、追加で定義することのできる受注伝票タイプがあります。

 

  • 明細カテゴリ

明細カテゴリに関しては、受注伝票の明細に紐づくものになります。この明細カテゴリによって、受注伝票の後続の伝票をどのように設定するのかを変えることができます。例えば、通常の在庫を引き落として出荷伝票を作るようにするのか、仕入先からの直送による設定で、出荷伝票を伴わないようにする等を定義することができます。

 

  • 納入日程行カテゴリ

受注伝票の後続で、どのような移動タイプ(在庫の取り扱い)を用いるかを定義することができます。例えば、受注の後に出荷する場合に、倉庫からの出庫確認を伴うことを定義するなどができます。それに対して、仕入先直送の場合は、在庫の変動がなく、納入日程行カテゴリとしては、移動タイプなしで定義することになります。

 

  • 販売組織

会社コードに紐づく組織のコードになります。1つの会社に対して、1つまたは複数の設定が可能です。SAP SDモジュールでは、販売組織、流通チャネル、製品部門の3つを1つの販売エリアとして定義しています。販売管理を行う上では必ず1つ以上登録する必要があります。受注伝票などの販売伝票を登録する際には、必ず1つの販売エリアを入力する必要があります。それにより、販売管理の基本機能が利用できるようになります。

 

  • プラント

会社コードに紐づく、工場や、物流等の拠点のコードになります。1つの会社に対して、1つまたは複数の設定が可能です。品目の在庫は、プラントごとないしプラント・保管場所ごとに管理することができます。プラントは、販売管理を行う上では必ず1つ以上登録する必要があります。

 

  • 流通チャネル

販売組織に紐づく、小売などの販売経路の分類を示すコードになります。販売組織に対して、1つまたは複数の設定が可能です。販売管理を行う上では必ず1つ以上登録する必要があります。例えば、卸売業者への販売、小売販売、直販、ネット販売などがあります。

 

  • 製品部門

販売組織に紐づく、製品のグループを示すコードになります。例えば、製品を扱う部門なのか、サービスを扱う部門なのか等をこの項目によって分けることができます。販売組織に対して、1つまたは複数の設定が可能です。販売管理を行う上では必ず1つ以上登録する必要があります。

 

  • 営業所

上記の販売組織、流通チャネル、製品部門は販売伝票上の必須項目ですが、営業所に関しては必須項目ではなく任意項目となります。用途としては、営業所を受注伝票に登録することにより、営業所として定義された店舗の販売数量や売上などの状況を分析することができるようになります。実際の会社の営業所をそのままシステム上でも定義することが多いです。

 

  • 出荷タイプ

出荷プロセスの種類によって、伝票タイプを分けることができます。受注伝票タイプと同様の切り分けとしても、別体系としても定義できます。

 

  • 出荷明細カテゴリ

出荷数量に関わる設定(警告出力するかどうか)、利用可能在庫確認をするかどうか、ピッキング関連とするかどうか、保管場所入力を必須とするかどうか等のパラメータで構成されます。明細ごとの挙動に関わる設定を行うことができます。

 

  • 割当:保管場所(ピッキング)

出荷ポイント、プラント、保管条件をキーに、どの保管場所から在庫を取得するかを決定するためのカスタマイズができます。

 

  • 定義:請求伝票タイプ

伝票タイプによって、請求処理を行う際にバックグラウンドで起票される会計伝票を指定することができます。価格決定表や出力決定表の設定を行います。

 

  • 請求伝票のコピー管理

受注伝票から引き継いで請求伝票を作成する際に、どの項目をどのように引き継ぐのかを設定します。コピー管理は受注⇔請求、請求⇔請求、出荷⇔請求など、複数伝票間でのコピー管理が存在します。

 

  • 定義/割当:価格決定表

価格決定において加味される諸条件をテーブルとして定義したものになります。各行が「条件タイプ」によって構成され、正味額、運賃、値引、消費税、総額、等の項目で価格を決定するための要素が設定されています。これらの明細行を加算または減算するなどの計算式を設定することもでき、そうした価格要素の総和として価格が決定されます。各行は「STEP」という項目により価格決定表上の明細の順位を指定します。

例えば消費税項目など総額算出をした後に適用される行は、価格決定表の下方に配置します。

また、価格要素を手動で更新するかどうか、条件タイプを必須とするか任意とするか、表示用(統計)のみに使用する行か等の設定もできます。こうした制御を駆使して、複雑な価格決定要素をうまく並べて価格計算を行うのが価格決定表となります。更に勘定キーという項目もあり、FIモジュールに対して、どのように連携するか(価格要素をどの勘定に転記するか)を制御できます。

 

  • 割当:勘定コード

会計への連携の際に計上する勘定を制御できます。どの項目を制御キーとするか、テーブルを定義できます。例えば、条件タイプ・販売組織・勘定キーの組み合わせにてG/L勘定を割り当てることで、その条件の請求が転記された場合、当該のG/L勘定にてFI伝票を起票します。

 

標準拡張、アドオンについて

 

  • 標準拡張

他のモジュールでも可能ですが、SAP SDモジュールにおいても、標準機能の拡張を行うことができます。例えば、SAP標準パッケージでは定義することのできない、顧客特有の項目を受注伝票内で取り扱いたい場合などの際、標準の受注明細に項目を拡張することができます。項目拡張の他には、受注伝票登録と同時に、外部システム用のデータを登録したい場合などに、Exitと呼ばれる処理追加を行うことができます。例えば、このExit内で、ファイル出力用のデータをアドオンテーブルに登録するコーディングを追加することで、ユーザーが受注伝票登録と同時に、外部システム用のデータが自動的に登録されることになります。

 

  • アドオン開発

SAP標準では要件を満たすことができない場合に、アドオンプログラムの開発も可能になっています。例えば、上記、標準拡張で記載したようなアドオンテーブルを読み込み、ファイル出力するようなプログラムを開発することができます。

 

各SD機能の紹介

SAP SDモジュールでは、標準で様々な機能が用意されております。その中でもよく使う機能を例に紹介します。

 

  • 引合伝票

受注伝票に似た画面構成になっており、画面上で引合伝票の伝票タイプ、販売組織、流通チャネル、製品部門、受注先、品目コード、プラント等の必須項目、必要に応じてその他の任意項目を入力し、保存ボタンを押下します。引合伝票は、上記の登録の他、変更画面、照会画面も用意されています。

 

  • 見積伝票

受注伝票に似た画面構成になっており、画面上で見積伝票の伝票タイプ、販売組織、流通チャネル、製品部門、登録した引合伝票の番号を参照登録というボタンで入力します。受注先、品目コード、プラント、有効期限等の必須項目、必要に応じてその他の任意項目を入力し、保存ボタンを押下します。見積伝票は、上記の登録の他、変更画面、照会画面も用意されています。

 

  • 受注伝票

画面上の受注伝票の伝票タイプ、販売組織、流通チャネル、製品部門を入力します。見積もりを参照する場合に、見積伝票の参照登録も行うことができます。受注先、品目コード、プラント、有効期限等の必須項目、必要に応じてその他の任意項目を入力し、保存ボタンを押下します。なお、伝票の入力が不完全であっても、途中で保存することができます。受注伝票は、上記の登録の他、変更画面、照会画面も用意されています。

 

  • 受注伝票一覧

登録された受注伝票について、SAP標準で一覧画面が用意されています。検索項目として、受注伝票番号の他、得意先コードや受注日など、様々な切り口で検索することができます。

 

  • 不完全受注伝票一覧

受注伝票画面で、入力が不完全なまま保存された伝票の一覧を表示することができます。受注伝票一覧のように、複数の検索条件があります。この一覧画面から、個々の受注伝票を探し、不完全な状態からの入力を続けることができます。

 

  • 出荷伝票

画面上で、受注伝票番号を入力して参照登録することができます。出荷伝票の画面では、出荷日等を入力して登録します。出荷伝票は、上記の登録の他、変更画面、照会画面も用意されています。

 

  • 出荷取消

上記の出荷伝票登録で、誤って出荷伝票を登録してしまった場合などに、この出荷取消の画面で取り消すことができます。画面上で取消対象の出荷伝票を入力することで、出荷伝票を取り消すことができます。ただし、既に請求伝票が作成されている場合など、後続の伝票が存在する場合は、後続の伝票の取消を先に行う必要があります。

 

  • 請求伝票

画面上で、出荷伝票を入力して参照登録することができます。請求伝票の画面では、請求日等を入力して登録します。登録時、請求伝票が登録されますが、裏ではFIモジュールと繋がる売掛の会計伝票も作成されます。請求伝票は、上記の登録の他、変更画面、照会画面も用意されています。

 

  • 請求伝票一覧

登録された請求伝票について、SAP標準で一覧画面が用意されています。検索項目として、請求伝票番号など、複数の切り口で検索することができます。

 

  • ブロック中請求伝票一覧

登録された請求伝票について、SAP標準で一覧画面が用意されています。ブロック中とは、受注伝票の登録時または変更時、何らかの業務要件で請求伝票の登録をストップしたいとき、後続の請求伝票登録時にはブロックをかける設定ができます。そのブロックにより、止められた請求伝票を一覧で表示することができます。検索項目として、請求伝票番号など、複数の切り口で検索することができます。

 

  • 請求伝票取消

上記の請求伝票登録で、誤って請求伝票を登録してしまった場合などに、この請求取消の画面で取り消すことができます。画面上で取消対象の請求伝票を入力することで、請求伝票を取り消すことができます。ただし、既にFIモジュール側で消込伝票が作成されている場合など、後続の伝票が存在する場合は、後続の伝票の取消を先に行う必要があります。

 

  • 運賃

SAP SDモジュールでは、受注伝票の価格欄に、運賃を含ませることができます。運賃は運賃登録、運賃変更、運賃照会、運賃一覧の画面が用意されています。運賃登録は、どのような条件でいくらの運賃になるなか等、細かな設定を行うことができます。

 

SAP MMモジュールとは

SAP MMモジュールとは、購買/在庫管理モジュールの事で、英語のMaterial Managementの略です。MMモジュールのフローとしては、大まかに分けますと4ステップになります。

まず1つ目は商品や製品、半製品、原材料などの品目の購買依頼です。この時点ではまだ品目の発注は行われず、仮の状態です。2つ目は購買発注です。1つ目の購買依頼の伝票を参照し、実際に品目の発注を行うステップになります。購買依頼を経由せずに、直接購買発注から行うこともできます。また、例えば高額な品目などを対象に、購買発注後に上長などからの承認がないと後続に進められないような、ワークフローにあたるフローを制御することもできます。3つ目は購買発注された品目の入庫です。購買発注により、指定されたプラントの保管場所に対して、発注された品目が入庫されます。そして、4つ目は入庫後の請求書照合になります。入庫された品目の会計仕訳を起こす際、移動タイプを用い、自動的に仕訳を起こすことができます。

上記の4ステップは通常よくある社外取引の例を挙げました。後述いたしますが、他にも社内間取引の一種である在庫転送オーダーなどもございます。

 

SAP MMモジュールのマスタデータについて

SAP MMモジュールでは、前述1のフローを網羅しておりますが、マスタデータとしては以下のようになっております。

 

  • BPマスタ

SAP S/4 HANAのバージョンにおいては、品目の受注先にあたる得意先、逆に品目の購入元にあたる仕入先がマスタ上の構成としては1つのBPマスタとして統合されています。このBPマスタに、仕入先の各属性情報を記録しています。大きく分けますと、一般データ(名称、敬称、住所などの情報)、購買組織データ(購買組織単位の取引条件の設定や、入庫時、請求時に用いる情報)、会社データ(FIモジュール側で使用するための情報)の3種類があります。なお、BPマスタ冒頭の記載の通り、得意先、仕入先が統合されたもので、FIモジュールは勿論ですがSD(販売管理)モジュールやPP(生産計画)モジュール等でも共通して用いられます。

 

  • 品目マスタ

製品や商品などを記録するマスタになっております。品目マスタには、基本データ、分類、販売組織、販売一般/プラント、貿易管理輸出、購買管理、会計管理、その他多岐に渡る項目が記録できます。例えば、基本データでは製品の名称やグループ、基本数量単位、組織情報などが記録できます。

 

  • 購買情報マスタ

購買情報マスタは、設定の粒度として仕入先、品目、購買組織、プラント単位でマスタ設定することができます。項目の構成としては、大きく3種類に分かれており、一般データ、会社コードデータ、購買組織データ等があります。設定について例えば、品目1について、複数の仕入先、単一の購買組織、複数のプラントで設定する場合、

仕入先A、品目1、購買組織1000、プラント2000

仕入先B、品目1、購買組織1000、プラント2100

仕入先B、品目1、購買組織1000、プラント2200

等になります。

項目については、大まかに以下の通りになります。

まず、一般データについてです。一般データは、モジュールに関係ない、共通的な部分になります。一般データでは、住所、管理情報、支払処理情報、もう少し具体的には、催促日数・仕入先品目コード・発注単位などを設定します。購買情報マスタの設定値は、適用される優先度が高く、仕入先マスタ・品目マスタよりも優先されて反映されます。

続いて、会社コードデータについてです。会社コードデータは、経理部門の方がメンテナンスする項目で、会社情報、支払処理、連絡文書、源泉徴収税等の設定を行います。そして、購買組織データでは、購買部門の方がメンテナンスする項目で、購買データの各項目、取引先機能の設定等があります。購買組織データの項目個別に関しまして、以下の通りになります。

  • 納入予定日数:発注から入庫までの予定日数を設定します。
  • 不足納入許容範囲:発注数量に対し、入庫数量が下回ってもよい下限のパーセンテージを設定します。
  • 過剰納入許容範囲:発注数量に対し、入庫数量が上回ってもよい上限のパーセンテージを設定します。
  • 過剰納入無制限:発注数量に対し、入庫数量が無制限に上回ってもよいかフラグを設定します。
  • 正味価格:単位当たりの価格を設定します。
  • 税コード:消費税、非課税などの税コードを設定します。
  • 入庫基準請求書照合:請求書照合を入庫時に自動で実施する(ERS実施する)場合にフラグを設定します。
  • ERSなし:ERSをしない場合にフラグを設定します。

 

  • 条件レコード

条件レコードとは、購買価格等を設定するマスタになります。条件レコードは、条件タイプ(基準額・運賃・値引き・増額など)ごとにSAP標準で用意されているキー項目の組合せごとに価格を設定します。「追加料金/値引き」に関しまして、スケールを使用し、パーセント または 数量依存 または 金額依存を選択し、金額増減が可能です。

例えば金額依存の場合、

100,000円以上の購買の場合、-6%

1,000,000円以上の購買の場合、-12%

といった価格のスケール設定が可能です。

価格の設定は、有効開始日、有効終了日があり、日付の範囲指定で設定が適用されます。例えば、品目Aについて、10/31までは1個2,000円、11/1から2,100円 という設定ができます。

 

  • 供給元一覧

供給元一覧は、プラント、品目ごとに仕入先を定義するマスタになります。供給元一覧では、プラント、品目単位で仕入先、有効期限、購買組織を設定します。また、固定仕入先、ブロックする仕入先、MRP対象とするか等の設定も合わせてします。

 

  • 供給量割当

供給量割当は、プラント、品目ごとに使用できる仕入先が複数あるとき、どのくらいの割合でその品目を調達するか設定するマスタになります。供給量割当を使用する場合、品目マスタ-購買管理ビューで、「供給量割当使用」の項目にチェックがついていることが前提となります。供給量割当では、複数仕入先に対して、発注数量比率を設定します。また、発注の際に最大発注数量やロットサイズ等を設定することもできます。

 

SAP MMモジュールのトランザクションデータについて

 

  • 購買依頼

購買依頼は、企業内の各部門から購買部門へ購入依頼を行う際の依頼伝票データになります。システム上、購買依頼の画面は購買発注の画面と似ていますが、購買発注よりも入力する項目数が少ないです。データとして、発注に似ていますが、品目コード、購買グループ、依頼数量等を入力します。

 

  • 購買発注

購買依頼を参照した購買の発注または、購買依頼を経由せずに直接、購買発注を登録します。多くの項目は、カスタマイズによって自動入力されます。または、購買依頼を参照した場合、購買依頼時のデータが自動的に引き継がれます。

ヘッダ項目としては、以下の通りです。

 

  • 発注タイプ

発注タイプは、購買プロセスごとに定義します。購買プロセスとは、例えば、単価が決まっていて継続的に発注する固定単価購買、スポット的な臨時購買、リースによって調達するリース購買、物ではなく、サービスを購入するサービス購買など、購買する対象などによって様々に分岐する、調達の業務上の手順のことです。例えば、単価が決まっている購買の場合、承認は不要で、臨時の購買であれば、不適切な物が購入されないように承認段階を多くする、リース購買であれば、契約した期間ごとに支払いが発生するので、MMの支払い計画機能を利用して、自動で債務が毎月上がるようにするのが第一手段となります。このように、対象とする購入物によって、購入プロセスは異なります。

発注タイプを予めわけて定義しておくことで、伝票の形態をプロセスに最適な形で制御することが出来ます。

また、あとから伝票を見た時に、それが何の購買プロセスに属するか、発注タイプを見ればすぐに判別できるという、判別機能もあります。なお、購買依頼を変換して作成する場合は、購買依頼タイプから購買発注タイプへの変換マッピングをあらかじめカスタマイズしておく必要があります。

 

  • 仕入先

対象の品目を、どの取引先から購入するかを決定します。

 

  • 伝票日付

購買発注伝票を発行する日付を入力します。

 

  • 支払条件

支払条件は支払いの形態(例えば、購入した月末締めの翌月末に支払いを行う、購入後の何日後に支払いを行う、現金払い、手形など)を管理するコードになります。

 

  • 住所

仕入先マスタから自動的に導出され表示されます。ただし、ワンタイム仕入先用の仕入先コードを選んだ場合、住所は都度入力する必要があります。

 

  • 承認方針

発注伝票に承認フローの設定をしてある場合、このタブに承認状況(どこまで承認が進んでいるか。課長承認、部長承認など)が表示されます。

 

  • カスタマデータ

追加項目を設定できるタブ。SAP標準に無い項目で、導入会社の業務特有の要件で必要な項目がある場合、ここを拡張して設定できます。

 

明細項目としては、以下の通りです。

 

  • 品目コード

購入する品目のコードを入力します。

 

  • 明細カテゴリ

発注明細の種類を決定する項目になります。空白にすると標準明細を示します。Tを入力するとテキスト発注(品目コードを指定しない発注)、Lを入力すると外注明細になり、入力項目や画面制御が異なります。

 

  • 勘定設定カテゴリ

発注の勘定設定、つまり会計処理へのつなぎかたを決定することができます。

 

  • プラント

品目をどの拠点に納品するかを指定します。

 

  • 保管場所

品目をどの拠点内の保管場所に納品するかを指定します。

 

  • 数量

品目を購入する数量を指定します。

 

  • 数量単位

品目を購入する数量単位を指定します。

 

  • 正味価格

購入する品目の単価です。購買情報マスタから初期提案されます。

明細詳細については以下の通りです。

 

  • 納入日程表

1種類の品目を複数購入する場合で、複数の日程に分けて納入する場合にこの納入日程表を用いる。

 

  • 納入管理

入庫非評価フラグをオンにしておくことで、入庫処理時に会計仕訳を起こさなくすることができます。納入完了区分フラグは、名称の通り、納入が完了したことを示すフラグです。入庫数量が明細数量を上回ると完了になりますが、未達でも手動でフラグをオンにして完了扱いにすることができます。

 

  • 請求書

税コードを指定する項目や、支払計画がある場合は支払計画ボタンが表示されます。「ERS」というフラグ項目もあります。ERSとは、Evaluated Receipt Settlementの略で、日本語で言うと入庫請求自動決済です。請求書照合をバッチ処理にて自動的に実行する機能になります。

 

  • 勘定設定

原価センタなどのコストオブジェクト、勘定を複数行指定でき、さらに数量指定、比率指定もできます。指定された数量や比率に応じ、発注明細の金額が分割され、指定された原価センタや勘定に按分計上されます。

 

  • 購買発注履歴

当該の発注に紐づいて入力されている入庫伝票や請求書照合を一覧で照会できます。照会時時点の伝票の状態がわかります。ダブルクリックで入庫伝票や請求書照合伝票に飛ぶことができます。一度入庫したけど取り消した等の場合の履歴なども、このタブでは一目瞭然となります。

 

  • テキスト

明細ごとの自由記述欄(テキスト)を記入できます。

  • 納入先住所

品目を納入する先の住所が表示されます。

 

  • 入庫(入出庫伝票、手動)

入庫伝票は、購買発注後、その発注した品目が仕入先から入庫された際の伝票になります。データの構成としては、以下の通りになります。まず、ヘッダ項目の代表的な項目についてです。

 

  • 入庫/出庫等のドロップボックス

購買発注後の入庫のため、通常は入庫を選択します。

 

  • 購買発注のドロップボックス

購買発注の入庫、指図を用いた入庫などが選べます。通常は購買発注を選択します。

 

  • 購買伝票番号

購買発注伝票番号を入力します。

 

  • 購買伝票年度

購買伝票の会計年度を入力します。

 

  • 伝票日付

入出庫伝票の伝票を作成する日付を入力します。

 

  • 転記日付

入出庫伝票のデータを転記する日付を入力します。会計伝票の会計年度、会計期間と紐づく。基本的には伝票日付と同日を入力します。伝票日付上は2022/11/1でも、会計上は9月分で計上する場合などは、2022/10/31などと入力する場合もあります。

 

  • 入出庫表

入出庫伝票のヘッダ領域に、外部システムの番号等を入れることができます。

 

  • 伝票ヘッダText

ヘッダ領域に、伝票の短い概要などを入れることができます。

続いて、明細の代表的な項目についてです。

 

  • 明細

自動入力される。1からの連番で、明細番号に該当します。

 

  • 品目テキスト(短)

購買発注の品目テキストが初期提案される。必要に応じて、書き換えることができます。

 

  • 入力単位の数量

入庫する品目の数量を入力します。

 

  • 数量単位

入庫する品目の数量単位が自動入力されます。

 

  • 保管場所

入庫する品目の保管場所を入力します。

 

  • 原価センタ

入庫する品目の原価センタを入力します。

 

  • 利益センタ

入庫する品目の利益センタを入力します。

 

  • G/L勘定

入庫する品目のG/L勘定を入力します。

 

  • ロット

入庫する品目のロットを入力します。

 

  • 移動タイプ

入庫する品目の移動タイプを入力します。移動タイプは、MMモジュールでは非常に重要な項目になります。SAPでは、品目の移動の種類を「移動タイプ」というパラメータで表現します。例えば、移動タイプ101が購買発注入庫を表します。発注入庫取消の移動タイプは102になります。保管場所間で在庫を転送するときは310になり、生産した製品を倉庫に入れる場合は131を使います。この移動タイプによって、在庫がどのようにして入ってきたか、または払い出されたかがわかるようになっております。

 

  • 明細OK

該当の明細が入庫してよい場合のしるしとして、この明細OKにチェックを入れます。

 

  • 請求書照合(手動)

入庫後、購買した品目の会計伝票を起票するため、請求書照合を行います。データの構成としては、以下の通りです。

まず、ヘッダ部分です。

 

  • 基本データ
  • 請求書日付

登録した日付など、任意の日付を入力します。

 

  • 転記日付

登録した日付などを入力します。ただし、会計期間がオープンされている日付を入力する必要があります。

 

  • 金額

税額を含めた総額を入力します。

 

  • 税額計算フラグ

チェックONの場合、税コードに合わせて税額が自動計算されます。

 

  • テキスト

請求書の備考などを入力します。

次に、明細部分です。

 

  • 購買発注参照

購買発注参照に入力可能な画面項目としては、主に、金額、数量、税コードなどがあります。

 

  • 金額

伝票通貨ベースの請求金額が自動提案されます。

 

  • 数量

発注単位を単位とする請求数量が自動提案されます。

 

  • 入庫(ERS、自動)

入庫基準自動請求書照合という、請求書照合を自動で行うことができます。入庫処理が行われ、納入されてたものについて、バッチ処理によって債務も自動的に計上する流れになります。貸借一致のデータのみが処理できるので、発注額と請求額が一致することが前提となります。製造業などで製品の工場に向けて多種類の部品を購入する場合などは、こうした自動処理が有効となります。

 

SAP MMモジュールのカスタマイズについて

SAP MMモジュールでは、大まかには以下のようにカスタマイズをすることができます。

 

  • 一般設定

国コード・通貨コード・数量単位・営業日のカレンダーこれらの設定をする必要があります。

 

  • 組織構造
  • 会社コード

1社のみを設定することもできます。日本、海外支社等複数の設定もできます。

 

  • 管理領域

管理会計を行う組織単位で、会社コードごとに設定できます。

 

  • 購買組織

購買組織は会社コード、プラントに割り当てられる購買の組織単位で、企業の購買活動に対して責任があります。購買発注伝票を登録する際は、必ず一つの購買組織を入力する必要があります。

 

  • 購買グループ

購買グループは購買活動を行う購買担当者、または、購買担当者のグループに相当します。例えば、原材料を調達する購買のグループ、製品を調達する購買のグループというようにグルーピングします。購買グループは会社コードや購買組織などとの紐付けはなく、独立した組織となります。購買発注伝票登録時に入力しますが、購買組織に依存せず、購買グループを選択することが可能です。レポート目的や権限制御が主な使用目的となります。

 

  • プラント

会社コードに次ぐ組織階層のコードになります。1工場や1拠点などを1つのプラントとします。

 

  • 評価レベル(評価エリア)

会社レベルまたはプラントレベルで持つことが可能です。基本的には、プラントと同じ粒度(コード)になります。

 

  • 保管場所

プラントごとに定義する、物の保管場所になります。

 

  • マスタデータ

前述しておりますので、ここでは割愛します。

 

  • 承認関連のカスタマイズ

MMでは、購買に対する承認プロセスについて細かなカスタマイズできます。例えば、以下の流れです。

  • クラス
  • 承認グループ(承認コードをまとめるコード)
  • 承認コード(課長・部長・社長など)
  • 承認区分(承認後は伝票変更不可とする など)
  • 特性(伝票タイプ・プラント・明細合計金額など、承認の条件で使用するSAP項目)

これらの前提条件を設定することができます。更に、以下の項目で詳細の設定もできます。

 

  • 特性(分類)

金額がいくら以上で承認を必要とするか、どんな伝票タイプで承認を必要とするか等の設定になります。

 

  • 承認コード

誰が承認するかの設定になります。課長・部長・本部長・社長などのユーザーを指定します。

 

  • 承認区分

承認後の伝票制御をどうするかになります。

 

標準拡張、アドオンについて

 

  • 標準拡張

他のモジュールでも可能ですが、SAP MMモジュールにおいても、標準機能の拡張を行うことができます。例えば、SAP標準パッケージでは定義することのできない、顧客特有の項目を購買発注伝票内で取り扱いたい場合などの際、標準の購買発注項目のタブを拡張することができます。項目拡張の他には、購買発注伝票登録と同時に、外部システム用のデータを登録したい場合などに、ExitやBAdIと呼ばれる処理追加を行うことができます。例えば、このExit/BAdI内で、ファイル出力用のデータをアドオンテーブルに登録するコーディングを追加することで、ユーザーが受注伝票登録と同時に、外部システム用のデータが自動的に登録されることになります。

 

  • アドオン開発

SAP標準では要件を満たすことができない場合に、アドオンプログラムの開発も可能になっています。例えば、上記、標準拡張で記載したようなアドオンテーブルを読み込み、ファイル出力するようなプログラムを開発することができます。

 

各MM機能の紹介

MMの標準的なフローである、購買依頼、購買発注、入庫、請求書照合に関しましては、前述の通りです。ここでは、それ以外の様々な標準機能を紹介します。

 

  • レポート
  • 在庫状況照会

在庫状況照会画面では、1品目ごとの在庫照会ができます。選択画面では、プラント、保管場所、品目コード、ロットの指定が可能です。また、特殊在庫区分・ゼロ在庫有無などの選択が可能になっております。

 

  • 入出庫伝票一覧

入出庫伝票を登録した一覧を画面に表示することができます。

 

  • 保管場所別在庫一覧

品目について、保管場所ごとに在庫がどれだけあるか、一覧を画面に表示することができます。

 

  • 積送中在庫照会

品目について、購買後、実際に在庫になる前の積送中の在庫についてを画面に表示することができます。

 

  • 実地棚卸

MMモジュールでは、在庫管理として実地棚卸の機能もあります。主なトランザクション画面は以下の通りです。

 

  • 実地棚卸伝票登録

実地棚卸を行う際の伝票登録画面になります。入力の途中で保存することもできます。

 

  • 実地棚卸伝票変更

実地棚卸伝票を登録後の変更を行うことができます。

 

  • 実地棚卸伝票照会

登録済の実地棚卸伝票の照会を行うことができます。

 

  • 実地棚卸検数入力

実地棚卸伝票を登録した後、照合するための検数を入力することができます。

 

  • 検数差異 転記

入力した件数と、システム上の在庫との差異を伝票転記することができます。

 

  • 実地棚卸伝票印刷

入力、保存した実地棚卸伝票を印刷することができます。

 

  • 実地棚卸一覧

実地棚卸伝票を、パラメータで選択して一覧画面に表示することができます。

 

  • 基本契約

基本契約は、契約の本来の戦略的目標に照らし合わせて特定の購入活動を分析、監査、および評価できるSAPソーシング機能です。基本契約を使用すると、契約の交渉および管理を活用して、コスト削減と遵守向上を実現できます。基本契約を登録およびモニタするには、契約管理モジュールを使用します。基本契約は、RFx、オークション、またはプロジェクトに基づいて登録することもできます。

 

  • 基本契約登録

新しい基本契約を登録する場合に選択します。また、テンプレートから新しい基本契約を登録することもできます。

 

  • 基本契約変更

登録した基本契約を変更することができます。

 

  • 基本契約照会

登録した基本契約を照会することができます。

 

  • 仕入先別購買契約

仕入先ごとの、購買契約を登録することができます。

 

  • 品目別購買契約

品目ごとの、購買契約を登録することができます。

 

  • 基本契約テンプレートの登録

新規で基本契約テンプレートを登録することができます。

 

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